第3話 その4
罠だ、罠ね、罠だろう! と、声を揃えてシックザールに問い詰める。
エリシェとマキナも騒動を聞きつけて戻ってきていた。
シックザール
「いや、本当なんだって、アイツ等のところはもう抜けてきた。 もう関係ない!」
マキナ
「そんなこと言って油断させてから、って作戦ね! 絶対信用しません!」
父
「そうだ! そんな虫のいい話あるかい!」
エリシェ
「リョウタさん、お任せしましたけど……これは、何が起こってるのですか?」
リョウタ
「……ああ、そうだね、とりあえず証拠だ。 持ってきただろ?」
シックザール
「……証拠? そんなもんねぇよ!」
リョウタ
「相手の情報だよ。 それくらい提供出来るだろ?」
シックザール
「……俺が召喚されたのは昨日の晩だ。 その時の話くらいしか出来んが構わんか?」
リョウタ
「いいよ、聞いてから考える」
シックザール
「……昨日はとりあえず、酒、メシ、と馳走になったんだ。 その時に聞いた話だと、温水を独占して、その利益でここらの観光商品の独占を目論んでるって話だったな」
父
「観光品?? なんの事かさっぱりだ」
シックザール
「そんでも、手のかかったところは潰したって言ってたぞ」
父
「……ありゃあ、ひょっとして、水着屋と話し合って、色んな水着を作るように話し合っておった、商売仲間がおったんだが……」
リョウタ
「潰された……?」
父
「……そうか、逃げるように居なくなったのはそう言う事だったんか……」
シックザール
「くっそ! そんな奴らだと分かってりゃあ、召喚になんぞ応じなかったものを……」
リョウタ
「まあ、話はだいたい見えてきたか」
エリシェ
「……こんな情報を持ってくるなんて、リョウタさんは分かってたんですか?」
リョウタ
「まあね」
シックザール
「おし、もう信用しただろ? 俺と契約せんか?」
マキナ
「は? え? アンタと?! 冗談じゃない」
リョウタ
「んー、マキナさん、契約してやってくれないかな?」
父
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
マキナ
「そうですよ! 本気で言ってるんですか?!」
リョウタ
「正直なところ、これでもまだ情報が足りない……人手が欲しいんです」
エリシェ
「いいんですか? すぐ契約主を変えるような事……そんな人」
リョウタ
「まあ、壁の補強工事でも日曜大工でもなんでもコキ使って、その後にでも決めてください」
シックザール
「な?! 召喚されて大工とか?!」
マキナ
「嫌ならこっちは別に構わないしー?」
シックザール
「……ちっ、何やりゃあいいんだ? 何でも来やがれよもう」
父
「……リョウタ様、これは一体……」
リョウタ
「まあその、ちょいと見た目だけでも直せそうな人手で使ってみてください」
シックザール
「まんまとやられたわ、しかし、リョウタって言ったか?」
リョウタ
「なにか?」
シックザール
「お前、面白いやつだな」
リョウタ
「……面白くなるのはこれからでしょ」




