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雪月花  作者: とりそぼろ
3/3

花噺

短い&正月テンション注意。

 一年の計は、元旦にあり――


「ということで、今年やりたいことや上達したいことを今日一日で全てやります!」

「大丈夫!?」

 初詣客で賑わうとある神社で、男子高校生二人のテンションは最高潮に達した。


「そんで、まず何からする?」

「うーん、やっぱ勉強だな。学生の本分、学業。俺は今年、特に英語の成績を伸ばしたい」

「英語ねー……去年のお前のテスト、ことごとく英語の点数が足引っ張ってたもんな」

「うるせー! それはともかく、方法としてはまず、本屋でワークブック買って、家で毎日少しずつ解く!」

 初詣の帰り道、言った通りにある書店に立ち寄り、少し見栄を張って発展レベルの問題集を購入。そして家に到着した彼。しかし、

「は!? 何これ、文法も単語も訳わかんねーんだけど!」

 一ページも解けず、投げ出してしまったのだった。


 羽子板を持った男子高校生が二人、ブランコに座りながら喋っている。

「やっぱ自分の好きなことをするほうが継続できていいよね」

「大人しく基礎から英語学び直したらいいのに……」

「ということで毎日サッカーの自主トレしようと思う」

「話を聞け。それはそうと、自主トレって何するの? リフティングとか?」

「俺もリフティングは考えたけど、あれ地味。てか基礎練はつまんないから一つもしたくない」

「謝れ。今すぐ全国のサッカー小僧に謝れ」

「まあいいや。とりあえず、学校の校庭でシュート練習でもする予定」

「まあよくないけど、今日学校開いてないよ、冬休みだし」

 これも廃案。


「そうそう、俺今年海に泳ぎに行きたい」

「冬だよ?」

 一刀両断。

「何か家でやること考えれば?」

「あ、じゃあ料理! 美味い飯を作れる男子ってモテるんだろ!?」

「動機が不純。で、何作りたい?」

「オニオングラタンスープのクレソン添え」

「難易度高過ぎ」

 結局、特にするべきことやしたいことも見つからず、昼過ぎを迎えてしまった。また、理想的な友人の思考回路に振り回されたツッコミ役の少年も、ほとほと疲れ果ててしまった。

 刻一刻と時間の減っていく中で、明らかに焦りが見られ出した。

「ああどうしよう!何をすればいいんだ俺は!」

「まあ、落ち着け」

「ん?」

「今年はまだ始まったばかりなんだ。あと364日もあるんだし、ゆっくり探せばいいじゃないか」

「キザだなお前……。……でもありがと」

「は? ありがとって……そのキザなセリフに対する感謝か? ハハ」

「違う。元日からこんな自由な俺に付き合ってくれてることの感謝」


 一年の計は元旦にあり。

 元旦を仲良く過ごした彼らは、今年一年、さらに友情を深めるだろう、なんて!

今年も宜しくお願いします。

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