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エピローグ
夜空にぽっかり浮かぶ蒼い月。
こんな日は思い出す。
あの不敵に嗤う快楽殺人者のことを。
あの作り笑いばかり浮かべる死神のことを。
そして、僕に最後の審判が下されたあの日のことを。
あの日以来、ぼくは彼らに会っていない。会おうにも、僕は彼らの名前も、住所も、連絡先も、何も知らなかったのだから。
彼らは本当に可笑しな――いや、「面白い」人間と死神だった。死にたくてたまらなかった僕が今、こうやって生きているのは彼らのおかげなんだ。
あれから数ヶ月が経ったけれど、まだ生きる意味は見つかっていない。
だけど、それにもきっと意味があるのだと思っている。
彼らと過ごしたあの蒼い記憶が「救い」になることを信じている。
そうしてあの日の追憶を胸に、今日も僕は生きている。
(生きる意味を、求めて)




