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HERO  作者: サトス
8/8

最終ラウンド

「俺と・・メールしてくれへん?良かったら!!」16文字になってしまったがそんなことはどうでも良い。今は相沢の答えが自分の10年後の姿より気になる。

うつむいていた顔をあげ、相沢の方を見ると目を丸くしている。そんなに驚くことか?(泣

これは悪い反応だと思い、僕はとっさにつけ加えた。できるだけなんでもないふりをして


「あ、いややったら全然良いねんで?気にせんとって。俺なんかHEROどころかどーせひきたて役のサブキャラ止まりやし!あはは・・・はは・・・」


いつかと同じように思い切りマヌケに笑ってまう。自分で自分を殴りたい気分だ。

相沢はじっと僕のほうを見つめ、まばたきを3回し、口を開いた。


「そのお願い。あたしも今しようとしてたとこ!タイミング一緒すぎてビックリしちゃってん

けど。メールこちらこそよろしくね!可愛い文はあんま送れないけどそこは勘弁して。」


相沢は舌を出してイタズラ好きな子供のような表情をむけた。

そして僕は相沢にばれないように鼻をすするふりをして、思い切りほっぺたをつねった。

めちゃくちゃ痛い。涙がでそうだ。OK・・・・夢ではないらしい。


「あ、じゃあ明日アドレス紙かなんかに書いて渡すわ!」なぜか早口になってしまう。


「うん・・・てかそうちゃんはサブキャラなんかやないで!」


「え?」相沢がなにを言ってるのか僕は良くわからなかった。


「そうちゃんダンスは下手やし、ゲップはするし(笑)でも・・・・あたしん中では

けっこうHEROよん。」


相沢は言おうかどうか迷って、言ってやっぱり恥ずかしかった時みたいに

まだバイバイするには早い場所だったけど


「あ、あたしコンビ二寄ってくね。明日ガンバろ!アド楽しみにしてる。それじゃあねぇ」


と言い残しいつも曲がらない角を曲がっていった。

あとあと考えるとその角の先には小学校があるだけでコンビ二は一軒もなかった。

「あたしん中ではけっこうHEROよん。」この言葉の中にいったいいくつの

意味が含まれているんだろう。1つだけ、鈍い僕にもわかることは

悪い意味じゃなさそうってこと!!


ポカンとしていた頭に喜びとドキドキが溢れてくる。


「ヨッシャアアアアアアアア!!!!!!」

僕は嬉しさのあまり自転車をでたらめな速さでこぎ、自宅を無視し通りを走りぬけた。

今度こそ「青春だ」と思った。

そしてその5秒後、浮かれすぎで歩道の段差に気付かず、(推定)時速40キロで思いっきり派手にこけ、自転車ごと電柱にぶつかることになる。




だから、僕が文化祭に出ることはなかった。

ぶつかった僕はそのまま軽い脳震とうを起こし、15分後犬の散歩をしていた

近所に住んでる三沢のおばさんに発見されることになる。

おばさんに起こされた僕は額から血が流れ、右足が泣きそうなほど痛かった。

症状は右足首の骨折、親にはなんてバカやろうだ!と200回くらい言われた。

入院の必要はないらしいが頭をうっているので3日間くらいは病院を

出れないらしい。ほんとなんてバカやろうなんだろう。


親が病院にいることは担任に伝えてくれたらしい。これで行方不明にはならないで済む。

バカらしすぎて笑いも起こらず、今頃ダンスを披露してるだろうクラスメイトの

顔を思い浮かべた。みんな頑張ってるだろうか?こんなバカなクラスメイトを許してくれ。


その日の4時、公園のレギュラーメンバーがお見舞いに来た。

ただ1人、相沢をのぞいて・・・・

僕は「急に角から出てきたじいさんを避けようとしてこけた。」と言い訳をして爆笑された。

ほんとの理由なんて話せばケンは笑い死にするだろう。


みんなが6時に帰り、相沢が来なかったことに一通り凹んだ後

眠ろうとしていたら、7時ごろベッドのカーテンがいきなり開いた。


「そうちゃん!!!」 着てくれたことより1人で来たことにビックリした。

「え、いや、その・・・・」

「バカ!心配してんからぁ!」天使の目から涙がこぼれだす。なんだこの展開。

「え?ご、ごめん。でもなんで1人なん?」

「ほんとに!ほんとに心配しててんよ?みんなと一緒に来れなかったのは

死んでもいないのにに泣いちゃったりしたら、意味わかんないでしょ?」


なぜ相沢が泣く必要があるのだろう。信じられないとゆう顔をしている僕に向かって

相沢が叫んだ。


「だってなんかマサキ君が「そうたは車に跳ねられて重症だ」って言ってて・・・」


マサキのやろう、勝手に人重症にしてんじゃねぇ(笑


「そしたらそうちゃんピンピンしてるし・・・もう、訳わかんない!バカ!」


泣きじゃくる相沢は、今までで1番かわいく見えた。


「それで、泣くほど心配してくれたんや。」


「うん。・・・・・・・泣いて損した。」


「あのさ」3秒くらい時間が止まった気がして、それから相沢が答えた。


「なに?」まだ目が涙で光っている。


「俺、ほんとうに相沢のHEROになれるかな?」


相沢は僕のいきなりの言葉に驚いたみたいだった。無理もない。言った本人の僕が誰より驚いてたんだから。だけど変に勇気がでる時って、あるよな。



相沢は少し考えて、それから微笑んでみせた。


「そんな格好していっても説得力ないよ。笑」


しまった。

僕は頭が包帯ぐるぐる巻きで片足は吊られていることなんて、完璧に忘れていた。


「元気そうだから、今日は帰るね。これ、あたしのアドレスだから!

あ、ちょっと待ってて。」


そう言うと相沢は薄いピンクの紙になにかを書き足した。


「はいこれ、じゃあメール楽しみに待ってるから。また来る!じゃね」


そう言うと振り向きもせず病室を出て行く。

病室がいきなり静まり返った。そっともらった紙をひらく。

そこにはアドレスと、短い文が1つだけ。


「早く良くなってね。あたしのHERO☆」


             おしまい!


初めて書いた連載小説!「HERO」

やっと完結しましたぁ(8部しかないけど)笑

グダグダも多く至らぬ点は星の数ほどありますが、

なんせ初めてなので、勘弁してください。

普通の恋愛小説は付き合った後の展開が

見せ場なんだと思いますが、この小説は

それまでの過程にだけ視点を置きました。

僕としてもこの後のそうたの恋の行方は気になる

ところですが、そこはもう彼に任せます☆

そこまで面倒みきれません(笑)


え〜。最後まで読んでくださった方、

こんなチンケな小説に付き合ってくださいまして

ほんっと〜にありがとうございます!

え?誰もいない?(泣くよ?)


もしよかったら感想などのメッセージ

をもらえませんか?(返事!絶対します)

ダメだしもたくさんしてほしいんで(笑


それでは、全ての本を愛するかたに幸せを♪

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