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HERO  作者: サトス
7/8

第7ラウンド

解散雰囲気になったのは終電ギリギリの12時半だった。

最後にクラス全員で円陣を組み、「優勝すんぞ〜!」

と定番の意気込みを叫んだ。浮かない顔のやつは1人もいない。


少しずつ公園からクラスメートが散って行き、今日はもう遅いのでいつもの

レギュラーメンバーも早く帰って明日に備えるみたいだ。

僕と相沢もその流れに乗る。


今日はいっしょに帰れるかな?と心の中でつぶやいた瞬間、相沢と目があった。

誘わなきゃ、「帰ろっか!」 「うん。」

言葉ってほんと便利だよな。人間だけに使えるものでこれほど素晴らしいものは他に

ないだろう。だってたった4文字で好きな女の子を誘えるんだから。


いつもの3倍スローペースで歩きながら、僕は考えていた。

そして1つの結論を出す。

今日相沢にアドレスを聞けなかったら、彼女のことはきっぱりあきらめよう。

僕はなんでも「自分ルール」を作ってしまうくせがある。それは失敗したとき

自分であの時決めたんだから。とゆう安全ネットみたいなもんだ。

これがなければ立ち直れない。な、意外とナイーブだろ?


でも、アドを聞こうとすればするほど話題は関係ない方向へと進んでいき

やたらと盛り上がってしまう。不思議だ。

話題が「1カ月1万円で生活できるかどうか!」に移った時僕のケータイがなった。

ケンからだ。内容は「相沢とメールできそうか?笑」

余計なお世話。「もちろん」と送ってやりたかったけど、それはまぁ後でも問題ない。


相沢がケータイの画面に向かって苦笑いしている僕に言った。


「てかそうちゃんと着メロ一緒やぁ〜。なんか嬉しいしぃ」


僕の着メロは3ヶ月前からミスチルの「HERO」だ。


「マジで?この歌ええよな。売れたんちょっと前やけど」


「うん。あたしミスチルの曲でこれが1番好き。は〜歌詞みたいなHERO現れるの

ずっと待ってんねんけどな〜。な〜んちゃってぇ」


かわいい、かわいすぎるぜベイベー!今すぐにでも相沢のHEROになりたかったが、僕は良いところサブキャラだろう。悲しいけど自分でもわかってる。


「あ!てかそうちゃんもケータイauなんや。待って!これ前あたしが使ってたやつやし!!」


共通点ってのは、増えれば増えるほど親密度と比例する。僕は今しかない!と思った。


「なんかふいに似てるとこ多いよな。つーかお願いあるねんけど・・・・」


「ん?お願い!?いきなりやな。笑 なになに?」


心臓が猛スピードでリズムを打つ。落ち着け。たった9文字だろうが!



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