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「少しドライブくらいできるよね?」




「少しなら……」




「よかった~」光太郎はエンジンをかけた。



私は勇気を出して聞いてみた。

「今日…死なないですよね?」



光太郎は驚いた顔で私を見た。



「なんで?」



「あ…いえ…きのう宣言してたから?」



「俺?マジ?」



「おかげさまで昨日の夜は寝つけませんでした。」



光太郎はサングラスをとった。



  ルイトだ………。



「ごめん~俺そんなこと言ったんだ。昨日はめっちゃ酔ってて

朝 かあさんに怒られたしな……。

大丈夫だよ……ごめんな……。」



「よかった。ホッとしました。

辛いことあっても死んじゃだめですよ。

きっとまたいいことあるし…その日のために頑張らなきゃ……」



私が言い終わると 光太郎は笑った。


「春湖ちゃんに会いにきてよかったよ。」



  ドキン



「そうですか。それはよかったです。」なるべく平然と答える。



秋杜にメールをした。


『帰ってきたら メールしてください。』



しばらく車を走らせて 無言になった時

私のお腹が鳴った。



「あ…」恥ずかしくて真っ赤になったら



「飯食べれる?俺の知ってる店めっちゃうまいよ。」



秋杜のこと考えたくなかったし

正直 私もまだ…光太郎といたかったから……



「はい。」と答えた。



車を走らせていくと 家の近くを走りだした。



「ここうちの近くです。」



「マジに?」



「はい こんなとこにそんなお店あったの知らなかった。

俺さ・・・大好きなんだその店 こっち帰ってきたら必ず行くよ。」




  ほんと知らなかった~



私の小学校と中学校を超えて 少し家からは

逆方向だったけど 住宅街にその店はあった。



「うえ~めっちゃ混んでるな~」

小さい駐車場が一杯で大混雑している。



「こんなとこにある店なのにすごいですね…」



「ちょうど…そっかクリスマスだからだな。」



光太郎は携帯を取り出して 店に電話をかけた。




「・・・了解~~じゃあよろしく~~」



携帯をポケットに入れて


「個室あけてくれるって~~ラッキ~~

車が止められないから…オーナーが近所の家の人に頼んでくれるって……」




「よかったですね。」




店からおしゃれなエプロンをつけた女の人がきて



「ご無沙汰してます。」と言った。



「今日混んでるね。やっぱカップルばっかり?」

光太郎が言った。



「おかげさまで~幸せそうなお客様ばっかりです~

光太郎さんは…」と私を見て一瞬戸惑った表情をしたけど



「あ…駐車場 オッケーしてくれましたから

一番奥の大きな家あるますよね。あそこの一番左端に停めていいようです。」




「あ~あのでかい家ね~~」




  いえいえ…あなたの家の方がでかいですから……




そうだよね…今日はクリスマスだよ。

どうして私は違う人と一緒に過ごしてるんだろう……。



秋杜から…まだ返信はなかった。



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