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サンタが三人 子供たちにプレゼントを配り始めた。


子供たちは最初 驚いて悲鳴をあげていたけど

プレゼントを手にすると歓喜の声に変わった。



それからサンタは幸子さん 美子さん 一世さん それから

奥さまと私にまでプレゼントを配ってくれた。



「俺のは?」ルイトじゃなくて光太郎が言葉を発して

私はしがみついていた体を慌てて離した。


「ご…ごめんなさい……。」




「俺のはないのか?」



サンタは手をナイナイと降って 三人は外に飛び出して行った。



何が起きたのかわからない私は

まるで子供たちと同等のグループにいるようだった。



「私にまで……」



子供たちの歓声から 女性の歓声にうつって来た。



私も思わずプレゼントの包みを開けたら

可愛いハンカチが入っていた。



「すみません…私まで……。」



「今夜の引き出物だと思ってくれる?」

小さい声で幸子さんが言った。




「そんな…おじゃまして…申し訳ありません~」



「何言ってんの~ケーキーも買ってきてくれたのに~

気をつかわせてしまったわね。

野獣の餌食になりそうになったり…こっちこそ申し訳ないわ。」



「野獣って誰のことだ?」光太郎が言うと



「姉として情けないわね……。

女と見れば血がつながってなければ 押し倒すのが

弟だなんて……」大げさに幸子さんが嘆いた。




「そんな…大丈夫です…私なら~」



慌てて私が言うと光太郎が


「な?春湖ちゃんだってそんなことあるよな~」


  社長の前で…何を言うの……



「そんなことはここでは……。」



今度は美子さんが光太郎の頭をど付いた。




「痛いなぁ!!!」



ボサボサの頭がまたボサボサになった。



「風呂入りなさいよ。臭いわよ!!」



美子さんが怒った。




子供たちの声に負けじときょうだい喧嘩がとってもほのぼのと

場を和ませた。



「ただいま~~」揃って課長と二人の男の人がやってきた。




「おかえりなさい、お仕事おつかれさま。」



「ほら手とうがいして食べましょう~~」




「春湖ちゃんはサンタから何かもらえたかい?」

課長がにやにや笑った。



「あ~~~もしかして……?」




「シーーィ!!子供の夢は大事にしよう~」光太郎が耳元で言ったから



私は思わず口をおさえてうなづいた。




他の二人のサンタは幸子さんと 美子さんの ご主人だった。




素敵な夜は過ぎて行く。


隣に座る光太郎は 気のつかない私に グラスを突き出した。



「あ…ごめんなさい~」


慌てて私はビールを注いだ。



そんなこんな繰り返しているうちに 光太郎は酔っ払いに変わっていった。




私がぼけ~っとして気づかずにいると



「おい 春湖 酒ないぞ~~」




「あ…すみません~~」



「まったく気がつかないな~~」



「すみません~~」





クリスマスツリーが輝いている。

子供たちは ここにプレゼントの包みを開けて

遊びだした。




  素敵なクリスマスパーティだな




私は小さいうちからこんな贅沢なクリスマスを喜ぶ子供たちを見ながら

うらやましいな~~と思った。



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