089
「あ~~おどろいたよ……」
私はため息をついた。
秋杜以外の男にキュンとしたのは
少し心の浮気だよ……。
マズイ マズイ・・・・
下に降りて行くと 一世さんと幸子さん美子さんが
大爆笑していた。
「光太郎 ビックリしてたわよ。
やっと起きたもん。」
幸子さんが私を見つけて
「ごめんね~~大丈夫だった?
あいつったら野獣だよね~~本当ごめんね~~」
「はい…大丈夫です。」
「まったくね~~アイツあんなことばっかしてて
よく仕事遅れないよね。
マネージャーさん大変だよ~あんなの毎日だったら~~」
「ほんとよね~申し訳ないわ~~」
マネージャー…って?
「香澄さんにはホントお世話になってるわよね。
何年になる?担当になって~」
「光太郎が初めての仕事だったはずよ。」
美子さんが 首をかしげた。
「そういえば……今年はまだ声聞いてないわね。」
香澄って…さっき光太郎さんが……言ってた人ね……
戻ってきたのかって……
なんだかいろいろあるのね………。
テーブルのセッティングが終わって
小さな子どもたちが 遊具の前のテーブルについて座った。
私たちはその横に大きなテーブルを出して
料理が次々と運ばれてきた。
子供たちからは大歓声
出窓のクリスマスツリーが輝いている。
なんて素敵なクリスマスなのかしら……
うちと秋杜の家のクリスマスはただの飲み会になってたから
子供たちも八人行儀よくテーブルについていた。
「あ~~こーたろーだ~~」
「こーたろーだ~~」
子供たちが指さして喜んだ。
「お…とうとう起きて来たか。」
社長が目を細めた。
「まだまだ寝ていたかったんだけどさ・・・・。
クリスマスなんて俺には全然関係ないんだけど
勘弁してくれよ~~ねえちゃんたちに俺のささやかな金が
飛んで行くこの年末年始……
俺の仕事はなんでこの時期ないんだろう……」
光太郎が私の横に立った時 私は大声を出した。
「あ~~~~~~~ぁぁぁ!!」
そこに立ってたのは…モデルで最近俳優やタレントとして
人気のある
「ルイトだぁ!!!」思わず立ち上がって指を指した。
頭をボリボリと掻いて スウェット姿で立っていたのは
テレビや雑誌で見るルイトとは全然人違いだけど
「先程は…失礼いたしました~~」光太郎は
そう言ってニッコリ笑うと 雑誌で見ていたルイトに変わった。
「あ…あ…」これが噂の……私は腰を抜かしそうになった。
ルイトにさっき頭鷲掴みされて…ベットの中に引き込まれて……
だって…だって…ここにいるのは芸能人だよ
みんなに言っても絶対に信じてもらえないだろうけど……
うっそ~~~ぉって叫びたくなった。
「ま…座って 春湖ちゃんだったっけ?」ルイトは私の隣に座った。
「あ…すみません……。」
私は慌ててイスに座った。
向かいで 一世さんがニコニコ笑っているけど私はまだ
心臓がドキドキしている。
「んじゃあ 始めましょうか~~~!!」
幸子さんが叫ぶと 部屋が真っ暗になって
子供たちが
「キャ~~~~ツ」と声をあげた。
私も何が始まるのかと 突然の暗闇に驚いた。
クリスマスツリーの明かりがめっちゃキレイだった。
大爆音でクリスマスソングが鳴ると
子供たちは驚いてまた
「キャ~~」と声をあげたから
私も驚いて
「キャ~~~」と言うと隣でビールを飲もうとしていた
ルイトに抱きついた。
「メリークリスマス~~」そう叫んで三人のサンタクロースが現れて
また私は子供たちと一緒に驚いて
ルイトに力一杯しがみついた。
」