表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/223

       088

「まったく~~あんたは~~

私が来なかったら 大事なお客様にとんでもないことを

するとこだったわ。さすがに私もあんたがこんなことをするとは

思ってもなかったから…情けないわ…。

女に不自由してるの?噂ではずい分遊んでるって聞いたけど~~」



そう言いながら幸子さんは大きな膨らみに何度も

ダメージを与えていた。



「う…いて…いて~よ~ねーちゃん~~!!」



「ほら早く起きて 春湖ちゃんに謝りなさい。

あ~~危ない危ない!!」



「なんだよ…まったく…

俺つかれてんだよ…ずっと睡眠不足だったし~~」



「にしたって眠り姫じゃないのよ。

そんなに寝て悪い夢見るわよ。」



二人のやりとりがおかしくて

私は肩を揺らしてクスクス笑ってた。



「あんたのおかげで お客様に品のない家族だって

ばれてしまったでしょ?」


幸子さんはようやっと体を離して仁王立ちになった。



「俺にはクリスマスなんて関係ないからさ~

寝かせておけ~~」




「甥っ子 姪っ子に 何かないのかな~~」



「ガキ産みすぎだし~~俺正月だってお年玉やってんじゃん~

いっちだってガキ連れてきてんだろ?

クリスマスは俺 いないことにしてくれよ~~

どーせねーちゃんたちの財布に入るんだし~~」



「あたりまえじゃん。

今までの私たちのおかげを忘れたの?

今のあんたがいるのも私たちのおかげでしょう?」



「違うよ~俺をいい男に産んだ

とうちゃんとかあちゃんの遺伝子のおかげだし~~」



また布団をかぶった。



「ちょっと春湖ちゃん バトンタッチ」



「え…私ですか…」



幸子さんの迫力に私はまたふくらみに近づいた。




「平野 春湖です…。

お呼ばれしましておじゃまさせていただいてます。

あの…みなさん待ってらっしゃいますから…

ごちそうもたくさんありますよ。」



「あ…さっきごめんね…。」



「あ…いえ…」



「なんのシャンプー使ってんの?

めっちゃいい匂いしたんだけど……」




「あ…なんだろ……」


100均のポンプに秋杜が入れ替えたからわからなかった。



「入れ替えたので…ちょっとわからないです。」



「そうか~~いい匂いだったな~~」



  あなたも一瞬いい匂いしました





「ふえ~~~つ」大きな声を出して光太郎が布団をめくった。



上半身裸だったけど下にパジャマのズボンをはいていた。



立ちあがった光太郎は


背が高くて 多分秋杜よりまだ大きい

思わず引き締まった上半身の腹筋の割れに一瞬目が止まった。



  すご……



恐る恐る顔を上にあげると

ボサボサの髪の毛が顔をかくしていた。



「はじめまして 一応長男の 光太郎です。

よろしく…さっきは失礼しました。」



声が低くてめっちゃいい



「社長のところで受付嬢をしています平野 春湖です。

こちらこそ失礼しました。」



「やっと起きたわね バカ息子が~~着替えて早く下に来なさいよ。」



「はい~はい~~」光太郎がそう言うと 



「先行ってるからね~忙しい~忙しい~」そう言って

幸子さんは私を置いていってしまった。



「あ…失礼しました。」慌てて部屋を出ていこうとしたら



光太郎が近づいてきて 



「あのさ…さっき俺が言ったこと覚えてる?」



私は一瞬考えた。



「あ…えっと…誰かと間違えたことですか?」



「うん…それ絶対内緒にしておいて…

俺 ふられたばっかなんだ~~バカにされたらまた落ちこむからさ~

傷心中なんだよ 俺~~」



「わかりました。内緒にします。」



「サンキュ~~ほんとさ ねえちゃんたちといっちーは

俺をペットだと思ってるからさ。」



髪の毛をグシャグシャにしていたら

無精ひげが見えた。



   なんかワイルドだわ~~~



「春湖ちゃんはイブなのにここにいるってことは

彼氏がいないのかな?」



「え・・・あ…まぁ…いるんだけども……」



「あ…いいよ…春湖ちゃんじゃない方を選んだんだ。

それは春湖ちゃんも傷心中じゃん?

仲良くしましょう~~」




私は首をかしげた。



「そう言う事になるんですかね……。」


私が言うと 光太郎は爆笑した。



「めっちゃ可愛い~~

髪の毛もう一回かがせて……」



そう言うと私の頭をわしづかみにしてクンクン鼻を鳴らした。



  この人…秋杜と同じことするんだ……



胸がキュンとした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ