表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/223

       085

一世さんにメールをしたら


『彼氏とのイブは残念だったけど クリスマスは一緒なんだから

ぜひイブはお呼ばれしましょう。叔父も喜ぶと思うのよ。』



ということで 私は秋杜と食べようと思っていたテナントの有名なケーキ屋で

キャンセルしたお詫びに ショートケーキを集まる孫の人数分購入。



「あれれ~彼氏にふられたのか~」


パティシエの松澤さんが笑った。



「今日の予定が変わっただけだもん~意地悪ね~」


私も笑った。



  本当は……めっちゃショック…


でも幸いに 予定が入ってくれててよかった。

家で秋杜の帰りを待ってたら…落ちこんでしまうところだった。



やっぱり秋杜とは…年の差を感じてしまう。



秋杜が就職して社会に出たら 私たちの距離はうんと縮まるけど

それまでにはかなりの月日が必要だなって思った。


みんなに堂々と発表できない彼女なんだよな私



ちょっと切なかった。

私のこと大事に思ってくれるのはわかっているけど……



閉店まで勤務の課長を置いて 

街にあふれるカップルを尻目に 私は一世さんに言われたように

地下鉄を乗り継いで バスに乗り換えた。



  社長の家ってやっぱここなんだな~



お金持ちが集まるここらへん

街から遠いのに ただきっと夜景がきれいで


上から目線で街の夜景を楽しめるこの土地は

有名人や金持ちや社長や政治家や…


そんな人たちが町内会にたくさんいるところだった。



街に行くのもバスなんかじゃなくて

みんな自家用車で行くから 不便さを感じないのかな。



眼下に広がる街の灯りが 宝石のように輝いていた。

今夜は街中が冷えた空気につつまれてて

その凛とした空気が さらに夜景を輝かせている。



「きれい~~」



夜景に見とれながら いつか秋杜と一緒にみたいな



そう思った。



社長のお宅はバス停からもさらに坂道を登る。



「金持ちの気持ちがわからんわ……

これじゃ毎日が山登りじゃん……あ…そっかマイカーあるからいいのか…」


ブツブツつぶやきながら

ロードヒーティングで見えるアスファルトを登り続ける。



素晴らしい家々を見ながらため息が漏れる。



  ヒーヒー

私の息はとうとう切れ始める。



最近鍛えてないからな~~

体力も衰えてる………。年を感じる……。



「あ~~あそこだ・・・・。」


美しい電飾が光っていた。


「うわ~~もう…別世界だ……。」



社長の名字を確かめる。



「檜山」



「ふえ~~~っ~~」目の前に広がった大きな洋風の豪邸に

これからきっと何度も驚かされるんだろうと私は深呼吸をした。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ