表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/223

       080

デパートは年末に向けていそがしくなる。

客が増えて かきいれどきで

活気づいた。



私も入社半年が過ぎて仕事に対して少しづつ余裕も出てきて

最近やっと少しだけ

教育係の人が教えてくれたことと仕事が結びつくようになってきた。



お客とも応対がスムーズに行くようになって

余裕が出てくると

自然に笑顔になれる。



仕事が少しづつ楽しくなっていた。




朝礼の時間

今日は社長のお言葉が放送で流される日だった。



いつものように

開店前の忙しいこの時間 ちょっと迷惑だったりするけど



社訓と今年度のスローガンを各フロアー一斉に 言った後に

社長の少し長いお話が始まった。




「今日は真心を持った応対についてお話します。」




  ん~また長くなるの…



誰もが顔をしかめる……


そんな話の中で

「先日 お客様からお電話をいただきました。

またクレームかと私名指しでいただいたので…覚悟してでさせていただいたのですが

今回はおほめの言葉でありました。

『受付嬢の平野さんの応対が素晴らしい』そんな嬉しいお電話でした。

平野さんはまだ入社半年あまりのようですが 最近は仕事にも

いい意味で慣れてきたようで応対にも落ち着きが出てきたと部門課長からも

報告がありました。

お客さまからは平野さんの応対に感動させられたと

うれしいお言葉でしめられました。・・・・・・・」




  え??私??



フロアーの人が私を見て 拍手してくれた。



  恥ずかしい~~


頬が熱くなって…恥ずかしくなった。



「頑張っていれば どこかでそれを認めてくれる人がきっといます。

それを励みにこれからも平野さん そして従業員のみなさまには

向上心を持って仕事に励んでいただきたいと思います。」




やっと社長の言葉が終わって 解散になった、




「すごいね~平野さん~」



みんなの拍手がとってもくすぐったくなった。




仕事が・・・楽しくなってきた……。



見てくれて評価してくれる人がいる

私の応対にも・・・・。




  ガンバろう・・・



一世さんが言ってたっけ

自分のために輝こうって…



私も私のために・・・

それが私の自信になって 秋杜の前でさらに輝けるなら・・・




秋杜の世界に嫉妬しなくても・・・



秋杜は私だけしか愛せないっていう自信を持ったら

きっと年の差なんか跳ね返せるかもしれない……。




「社長がお呼びだから あとで社長室に行ってくれ。」


総務課長から声をかけられた。




放送とか…入社式の時の見たっきりで

社長室になんか呼ばれちゃうんだ………



私は大興奮だった。




「はい!!」元気よくそう返事をした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ