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       076

「クシュン……」



「ほら~~風呂あがりなんだろ~

もう戻ろう……」



「うん……」



そう言いながら私は 降ってくるぼたん雪を 口で受け止めた。




「何してんだよ・・・・」



「記念に…体に…記憶する…」




「バカか~~春湖ってそんなロマンチストだったのか?」


秋杜が笑った。



「そうだよ~好きな人と一緒に見るものは…どんなものだって…素敵に見える。」


もう一度 大きな口を開けたら

秋杜の顔が侵入してきて 私はおどろいた。



「あはは~~」



「何よ~せっかくのロマンチックな気分が台無しじゃん~」



「春湖の口が受け止めるのは 雪じゃなくて…

俺の唇なんだぞ。これから先もずっとずっと未来永遠に……」



秋杜が私の手を引いて 玄関に引き込んだ。



私の前髪をあげて額にキスをした。



  ドキン ドキン ………




私は静かに目を閉じて……心臓の鼓動をおさえながら

秋杜のキスを待っている……。



「春湖……愛してる…」



私は閉じていた目を開けた。




「やっと俺のものになった……」



「うん…ご期待に添えて…よかったわ……」



「ずっとずっと…こうしたいって思ってた……」



秋杜の唇が触れて 抱きしめられる腕に力が入った。




唇の触れあう音が 響き渡る……。



心臓が動き過ぎて…呼吸が苦しくなって私は唇が離れると

甘く喘いでしまう……。



「春湖…エッチな声出すなよ……」




「何言って…んの…ン…苦しいの…

秋杜のキスが…熱すぎるんだもん……」




「当たり前だ…俺の16年間の想いが凝縮されてんだからな……」




幸せなキス



好きな人とする甘いキス




「私のこと…そんなに好きだったんだ?」




「わかってるくせに……」




「聞きたい~~だって昨日は何回も言わせたじゃん

私にばっか……ずるいよ……」




「やだね~~ぇ~~もうさっき一回言っただろ~~

また今度な……」




「なんで~~ぇ~~愛の言葉は女を輝かせるんだもん~」



[これ以上輝かなくていい…

俺の前でだけ キレイな春湖でいい……

悪い男が…春湖に近づいたら…絶対やだ……」




  もしかして~ヤキモチ???




「秋杜…ヤキモチ焼いてる?」



「焼くよ……春湖は…めっちゃいい女だから……」



嬉しかった。

私だけ…気をもんでるんじゃないんだね……。



「可愛い…秋杜…大好きだよ……。」




今度は私からキスを求めた。




  きっと…きっと私たち…うまくやれるよね……



今年初の雪の中で…雪も解けそうな熱いキスを繰り返した。

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