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       075

秋杜が帰るまで 何も手につかなかった。



萌のことを秋杜が好きだとは思えないけど・・・・

どうして秋杜が拒否しないのかが不思議だった。

嫉妬心がメラメラ~~と湧いて

頭の中それで一杯だった。



お風呂あがりの

ふとうつった鏡の中の自分に立ち止まる。



  こういう風になりたくなかったんじゃなかった?



  秋杜に嫉妬したり追い詰めたり…… 

  秋杜のまわりにいる女を敵だと思うことで



  醜くなる自分が…怖かったんだよね



そう今 鏡の中にいる私は それに近い顔をしてる……。



秋杜を好きになるってことは

秋杜の世界を信じることなんだよね。



課長と一世さんだって…きっとそうやってお互いを信頼してるから

幸せな関係を築けている……。



  もっと…大人にならなきゃ




鏡の私の頬に気合い入れを ビシビシとした。




カチャ…




鍵の音がして 秋杜が帰ってきた。




「おかえり」私はニッコリ笑顔で秋杜の前に出て行った。



  ニッコリ笑えてるよね?




「ただいま。」秋杜はホッとしたような顔をした。




「寒かったでしょ?夕飯 久々母の手料理を味わいましょう

待ってたんだよ~~」




「あ…そういえば…雪が降ってきたよ……。」




「いつ?」



「たった今・・・・」



秋杜の言葉に急に興奮した。




「外行こう~~外~~~」私は慌ててスリッパをはくと




「風邪ひくぞ~めっちゃ寒いんだから~」

秋杜はまだ滴が落ちてる私の髪の毛を見て止めたけど

私にとっては 今年の雪は特別だった。




玄関のドアをあけると大粒のぼたん雪が舞っていた。




「キャ~~」



「なんだよ…いつもの雪だろ…これからうっとーしー季節だぞ。

何がうれしいんだよ…毎年ウンザリなのに…」




「何言ってんのよ…今年からの季節は私にとっては特別なんだよ。」



「え?なんで?」



「だって…秋杜と一緒に見る雪じゃん…それも初雪……

それもこんなきれいな ぼたん雪だもん~~感動するわ~~」



後から秋杜が私を抱きしめる。




「二人で一緒に見る…今年最初の雪か……」


胸の前で組まれた秋杜の手を握りしめる。




真っ白な雪が…私の心の汚れを消してくれるような気がした。

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