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ひくにひけなくなった口げんか



「由美ちゃんたちが来たら 話そうと思ってるんだけど

秋杜はしっかり朝も起きれるし 私がいたとこで別になんもならないし……

一緒にご飯食べるわけでもないし 寂しいわけでもないし…

だったら私も自由に生きたいから引越ししたいって。」



秋杜は冷たい目で私を見ている。



「彼女もできそうだし…私がうろうろ秋杜の家にいたら

迷惑でしょ?もっと自由にいろんなことしたいだろうし~~」



「何をしたいって・・・?」



「彼女と……誰でもすることよ……。

私だってもっと自由に部屋に彼氏も呼びたいし

ここにはやっぱり連れて来れないもん……。」




「おまえの頭んなか やることばっかか?」




「はぁ?何それ……」




「別に好きにすればいいし…俺は一人でも暮らせる。」




自分で墓穴を掘って 悔しくなってきた。


「そ~~ですか~~好きにするわ!!」


もうそろそろ退散しないと 泣きそうだった。



「勝手にしろや!!」



私は頭に来て 外に飛び出した。



「も~~ぉ!! 腹立つ ムカつく バカ!アホ!!マヌケ!!」



バタバタと歩いていたら ハッと気づいた。



「寒い~~~~っ!!」

そうだった 只今季節は 秋から冬に移行中だった



スウェット姿で飛び出してきた私は思わず ブルブルと震えた。



「しくじった~~ぁ~~」



それに一文無しだし……

今さらすぐに帰れないし……



初冬の風が私を刺す・・・・

公園のベンチに腰かけて空を見上げたらめっちゃキレイだった。

そのまま寝転んだら 星空が全部自分のものに感じた。


「めっちゃ…キレイ~~~」


思わずそう叫んだ。



頭が冷えてきて 体温が冷えると同時に

素直になれない自分が情けなくなった。



「今日はちゃんと言うつもりだったのに また違う事いっちゃったよ。

私はダメだな~秋杜の前では素直になれない……

このままなら秋杜は遠くに行っちゃうかもしれないのに……

バカみたい私……こうなったら嫌われた方がいいのかもしれないな~。」



涙が溢れて来た………



このままここで寝られたら凍死するかな



そしたら秋杜 泣いてくれるかな




「大好きだよ……秋杜……」


降ってきそうな星空を見上げていたら 素直になれそうだった。



「好きで…好きで…たまらない……よ……」



目を閉じたら ツーッっと涙が伝ってきた。



「素直になりたい 傷つかない強い心を持ちたい……そしたら

もっと上手に伝えられるのに……」



しばらく星を見上げてると 風が強くなってきた。



「あ…もう…もう…ダメだもん……寒くて…」



歯がガタガタ鳴って ベンチから立ちあがった。



「帰る・・・悔しいけど…寒いから……」



フラフラと歩いていると大きな声がした。



「春湖!!!」



「うわ…っ……」



秋杜が国道の向こう側に立っていた。




  やば……っ


さすがに罰が悪かったし 今 秋杜にあうと泣いてしまいそうだった。



「春湖!!!」



私は慌てて背中を向けて公園に向かって走り出したその時




キキキーーーーーーー!!!



ものすごい音で私は 振り返った。




「え・・・・・嘘でしょ・・・・・」




秋杜が車に ひかれていた・・・・・・・。




「あ…ちょっと……」体が動けずにいた。




「誰か~~救急車呼んで~」女の人が悲鳴をあげた。




私はパニックになった。




「秋杜!!!」




私は倒れている秋杜に 足をもつれさせながら近づいて行ったけど……

なかなかそばに行けなかった。




秋杜を引いた主婦らしき人は パニックになっていた。



「どうしよう~~大丈夫ですか!?」




私は 目に見える光景が現実に見えずにさまよっていた。

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