067
この間 みかけた女の子だった。
秋杜を追い掛けて一緒に歩いていた子
「話をきいてない」と秋杜の耳を引っ張ってた子
「まったく…なんか非情にムカつくんですけど……」
着替えながらイライラしてきた。
「なんでよりによってあんな子に…俺様王子が振る舞わされてんのか……
正月 こっちに来る由美ちゃんにいうから~~」
ずっとブツブツ一人ごとを言いながら
夕飯を作って お風呂に入った。
また遅いのかな
あの子の部屋で…何してたのかな
でもまだ 彼女ではない様子に ちょっとホッとしてた。
秋杜は案の定まだ帰って来ない……
どこまで送りに行ってんのよ!!
イライラを肌の手入れにかえて…時計とにらめっこ
さすがに待ってられなくて 先にご飯を食べた。
九時すぎやっと 秋杜が帰って来た。
「遅いね。」嫌味たっぷりに言ってやる。
秋杜は何も答えず手を洗ってうがいをした。
「ご飯用意してあるけど?」
「あ…ごめん俺すましてきたから…明日食べる。」
怒りが爆発した。
「いっつも言ってるけど連絡してよ なんのための携帯なの?
あんたの食べない食事のために用意する私の身になってよ。
別に一人ならテキトーに食べるんだし
あんたが育ち盛りだからめんどくさい食事をつくってるんだから!!」
「いいよ 俺もテキトーに喰うし
これからいいよ お互い自分の食うもんだけ用意すりゃ
嫌味言われることもねーし・・・」
「嫌味?あたり前のこと言ってるじゃん?
間違ってる?それからさ…女呼ぶのはどうかと思うわ。」
ヤキモチをあたりまえに必死に変えようとしている。
「ルール違反だと思うけど……。
だらしないことにでもなったら 一応あんたの両親から
頼まれている私にとっては 困ることだから……できれば…
やめてほしいな!!」
「別にいいじゃん ここ俺んちだし・・・」
秋杜も負けてない
私もだんだんヒートアップしてきた。
「頼まれて越して来て 私だって男連れてくることもできないんだから
あんただってルールとして守ってよ。」
「連れてくる男なんかいないくせに~」
秋杜の顔がめっちゃ小憎らしい~~
私をこんなに混乱させてそんな涼しい顔で言うな~~
「はぁ?いるし!!」後には引けない自分になってしまった。
「嘘つくな。」
「こんな女としてノリノリな春湖様に 近寄ってくる男は
ごまんといますから~あなたの教育上悪いから 遠慮してるんです~~」
「見栄はってるし
おまえに男なんているわけない。」
自信たっぷりにそうぬかしやがって 私の怒りは頂点へ
「何よ 何よ 何がわかんのよ。
何もわかってないじゃん!!」
わかってないよ秋杜……
私がどんなに秋杜のこと 好きなのか………。