065
気分転換に映画を見に行った。
おもいっきり恋愛映画で 泣ける映画にした。
好きな相手に素直になれなくて 心が通じ合った時には
彼に病魔が・・・・・そして・・・
何ともやりきれない映画だったけど たっぷり泣いて感動して
そしてわかったことがあった。
やっぱり…気持ちを伝えよう…
主人公が言った。
「どうしてもっと早く素直にならなかったんだろう。
そうしたらもっともっと愛を語り合って もっともっと抱きしめ合ったのに…」
そうよね
もしかして私に明日なんかあったら…
それこそ人生に後悔して幕を閉じるんだ。
もしかしたら受け入れてはもらえないかもしれない……
だけど…伝えてダメだったら泣いて
そして立ち直ればいい……。
秋杜とのことが前に進めない限り
私はやっぱり恋ができない……。
課長と一世さんのように……
なれないかもしれない
だけどくすぶってるよりかは絶対いいよね。
伸ばしっぱなしの髪の毛を背中くらいまで切って
髪の毛を深めのブラウンで染めた。
秋の新作のリップと筆のアイラインを買った。
夕方の街はあっという間に薄暗くなっていた。
「秋は寂しくなるな~~」日が短くなると心がすさむ……。
今日こそは…自分に正直になって…
そして…前を向くんだ。
そしてそんな誓いをしていた私に 衝撃的な出来事が待っていた。
玄関をあけると 秋杜の靴があった。
そして…その横に並ぶようにして小さなデッキシューズ
体の底から湧きあがる不安感に足がすくんだ。
そしてその中を行くのが めっちゃ怖かった。
「きゃはは~~やだ~~秋杜ったら~~」高い声が聞こえた。
秋杜が女を家に連れてきた
それは今までまったくありえない事件だった。
うまく笑える?
仕事だと思えばいいよ……
いらっしゃいませ
いつも仕事で言ってるじゃん
そう言い気かけても足がガクガク震えていた。
私は大きく深呼吸して 笑い声のするリビングのドアを開けた。