064
一睡もできなかった。
今日が休みでよかった……
こんな気持ちで
「いらっしゃいませ」なんて言ってらんない・・・・。
ドアが開く音がして 私は体を固くした。
「春湖……起きてるか?」
答えるもんか…
めっちゃ頭に来てるんだ……
「起きてんだろ?」
「起きてない……」思わず口ばしった。
「昨日も…ごめん…こんなはずじゃなかったんだ……。」
「うるさい…もう聞きたくない……。」
地をはうような低い声に自分でも笑いそうになった。
怒ってんだって…自分…
「あんな遅くなるって思ってなくて……」
「電話あるじゃない…それに嘘ついて充電切れって…
私がどんな気持ちで待ってたかわかんないでしょ
なんか後ろめたくて連絡できなかったの?」
もう耐えられなくて 布団をはいで正座した。
「いや…何言ってもアレだからゴメンとしかない…」
秋杜はそう言って頭を下げた。
「知らない…もう知らないから……」
「春湖……」
「ふーーーっ」
私は興奮している心を落ち着けた。
「私のことはもういいから…いいよ無事に帰って来たし…
由美ちゃんから頼まれてるんだし…もうわかったよ。」
ベットから降りて立ちあがった。
「秋杜には秋杜の事情があるんだもん。
これからは無理して予定を合わせたりしないでおこう。
私は大人げなく こうやって子供みたいに怒っちゃうから。」
誰と一緒にいたの?どこにいたの?
聞きたいことを押しこんだ。
俺様王子をうまく操ることのできる子って…誰?
「学校 遅れるから…もう行きなよ……。」
秋杜の携帯音が鳴っている。
「電話来てるよ…早くでなさい……。」
秋杜がふり向きながら 部屋をでて行ってから又ベットに入りこんだ。
「切ないな………。」
天井が涙で曇った………。
「うまくいかないし……やっぱ私にはダメなのかな……。」
五歳の年が来年の春まで四歳に縮まったけど 距離は開く一方・・・・・。
「もう…ほんとに自分がイヤになるわ。」
私はこればっかで全然前に進んでない……。
自分も磨かず……ただ時をボーーっと過ごしてるだけで…
[これでいいはずはないよね・・・・・」
体中をばたつかせて 力尽きる………。