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       063

仕事中 ずっと考えていた・・・・。


素直になるリスク……

もしかしたら 撃沈してしまうのかもしれない

今の状態なら 少なくてもライバルがいるのは一目瞭然



今まで秋杜の前で振る舞わって来た 年上のプライドが



昨日素敵な夫婦の話を聞いて 元気が出たのに 頑張ろうって思ったのに

私の心に壁を持ち続けている。




まーくんとの初めての恋で裏切られて傷ついた



あんな情けない思いはもう二度としたくない

傷つくのはもう嫌だ……

立ち直れなくて…新しい恋をずっと避けてきて……

私は恋に臆病になった。




考えれば考えるほど 深みにはまる……。

そんな想いを背中にどんと乗せて 私は家路についた。



きっと話す時間をもてれば…また状況だって変わってくるよね

あの秋杜に触れられるだけでも電流が流れるんだから

気持ちが前みたいに溢れだしたら…告白してみよう



私に課長が乗り移ればいいのに……



そしたら何度ぶつかってもへこたれずに 愛を手に入れるのに……




「好き」簡単なのにたった二文字なのに言えない言葉……




6時すぎ 帰ると秋杜はいなかった。

途中まで 夕飯の支度をしていた様子で そのままでいなくなっていた。



「どうしたのかな……」



メールを何度もしたけど返信がない……

仕方ないからその続きを想像しながら 料理を仕上げた。



9時になっても連絡がなかった。



「お腹…すいたよ……どうしたんだろう」

電話もつながらない



不安感で一杯になった。



「事故にでもあったんじゃないよね……」




テレビのニュースやネットのニュースを確認しながら

私は秋杜をもしかして…死で失ったりしたら・・・恐怖感にかられた。



秋杜がもしこの世からいなくなったら私はどうしたらいい?




その問いかけは私の涙腺を刺激して

不安感から大泣きになった………。



「秋杜~~どうしちゃったのよ・・・・・・

今日は一緒にご飯食べる約束だったじゃん……」




とうとう時計は12時を回った。




由美ちゃんに電話しよう…と立ちあがった時だった

玄関がガチャンと開いた音がして私は飛び出して行った。



秋杜は私を見ると 驚いた顔をして


「あ…ごめん…待ってた?」と言った。



安堵感から怒りがこみ上げた。



「どうして連絡しないの?心配するじゃん!!」



「ごめん…電源切れ……」



「公衆電話だってまだ探せばあるじゃん!!心配したんだから!!

バカ!!! バカ!!! 」



私はその場で座り込んで子供みたいに泣いた。



「ごめん春湖…ごめん……」



秋杜が私の肩を優しく叩いた。



秋杜を失う想像ばかりしていたせいで

秋杜が無事に帰ってきたことで

今なら 私…きっと素直になれる……そう力がみなぎった時だった……。



秋杜の携帯音が鳴った。



「え・・・?電池切れてないじゃん!!バカ!!!」




「ごめん…春湖 また明日……」



靴を脱ぎながら 電話に出た。


「うん……今 帰って来たよ……。ちょっと待ってて……」




秋杜はそう言うと階段をものすごい勢いで登っていった。




  え・・・・・・・



肩すかしくらって私は愕然とした。

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