表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/223

       058

榊原課長とエレベーターが一緒だった。



「おはよう~」いつも元気で爽やかで ネクタイの色とスーツの色がとってもお洒落……。



「おはようございます。課長今日も素敵ですね~」



「うれしいこと言ってもらって~~うちの奥さんも喜んでたよ~」



課長のスーツもネクタイも全部奥さまのコーディネートなんだって~~



「お会いしてみたいな~~。課長の奥さまに~~。」



「あ…じゃあ 今日遊びにおいで。

かみさん 料理教室に行くって言ったからきっとごちそうだよ。

電話してみるから 予定開けといて。」



課長が手をあげて颯爽と出て行った。




「めっちゃ…いい香りだ~~~」


心がすさんでいたから課長の爽やかさに心が洗われた。



そんなこんなで

私は課長のお宅にお邪魔することになった。



「帰りは送っていくから ゆっくりしていきなさい。」



「え~いいですよ、地下鉄で帰れます。」



「送っていくのはこっちにも都合がいいんだ~協力してもらうよ。」




地下鉄の出口に 赤い車が停まっていた。



「いらっしゃい~~春湖?ちゃんだったわね~」



運転席の窓から顔を出した 課長の奥さまは 想像通り美しい人だった。



「すみません。図々しくて……」


私は頭を下げて挨拶した。



「おかえりなさい~~」



課長が助手席のドアを開けてくれた。



「ええ?ここでいいんですか?」



「俺の席はここなんだ~~」

課長が後部座席のドアを開けたら チャイルドシートが二つ



「運転手以外はお世話しなくっちゃ~~」



「あ~すみません。」



シートベルトを締めて 改めて奥さまに挨拶をした。



「平野 春湖 です。奥さま 今日はありがとうございます。」



「私も会いたかったの~~若い女の子とお話できるなんてうれしい。

奥さまなんてやめてね。私の名前は一世って言うの。

名前で呼んで~お友達みたいに~~」



一世さんはそう言って微笑んだ。




「お子さん寝てるんですか?」



「うん~こいつらねなぜか車に乗ると寝るんだよね~~」



「ごめんね~うちあずましくないけど…ゆっくりして行ってね。」




素敵なご夫婦だな~~って感じた。



一世さんは7歳も年上だって言ってたけど

課長と結婚する時 悩むことはなかったのかな……。




素敵な一軒家だった。もう暗かったけど車が入ってくると

灯りがついてプランターの色とりどりのお花が浮かび上がった。




「素敵~~」



「趣味なの~~まだまだセンスないんだけどね~~」



一世さんの笑った顔がキレイだった。




課長は三歳くらいの男の子を抱き上げて 玄関のカギを開けた一世さんが

戻ってきて もう一人のまだ一歳くらいの男の子を抱いてきた。



「今がチャンスだよ~~いっちゃん~~」課長が言った。



「そうね…少しでも静かにしててくれると助かるんだけど~~」



「春湖ちゃん~~入って~~」


一世さんはスリッパを揃えてくれた。



「おじゃまします。」



二人の後をついていい香りのするホールからリビングに通された。



「うわ~~」カントリー風のお部屋に思わず声をあげた。



「これカントリーっていうんですよね~~」



「知ってる?」



「はい 母がはまってました~~~。途中まで~~」




「そっか~~ぁ~~」


隣の和室の布団の上に 二人の兄弟を寝かせて

一世さんは笑顔で戻ってきた。



「トシくん~お風呂先に入ってきて~~

その間 春湖ちゃんにお手伝いしてもらって用意しておくわ。」




「は~~い」



課長が子供のように手をあげた。

私はいつもの課長と全然違うから 思わず目が点になっていると



「ほら~~春湖ちゃんひいてるじゃん~~」



「あ~~これは職場では秘密だぞ~~それでなくても一世女史と結婚して

尻に敷かれてるって噂なんだからさ~~」




「敷かれてるんだよ~~私の長男だから~~」



課長と一世さんがにこやかに微笑んだ。



「素敵~~~」

私はまた叫んでしまった。



「え??」



「いろいろ質問させて下さいね。」私が言うと



「お手柔らかに頼むぞ~~」課長が頭をかいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ