051
「元気がないな?」榊原課長が声をかけてくれた。
「あ…おはようございます。
いえ…元気です!!」慌てて答えた。
「心配ごとか?彼氏のことかな?」
休憩時間私の前に 座って
課長は優しい声でそう言った。
「あ…いえまだそんな…彼氏って……」なんだかおかしく慌ててしまっている。
「恋の悩みなんて 若いっていいな~」
「課長はもう悩みなんかないんですか?」
「うん。俺が恋したら不倫だからね。」そう言うと課長は笑った。
結婚してるんだ~
少し残念だなって思った。
「課長の奥さまってどんな方なんですか?」興味が湧いてきた。
「普通だよ~普通~~」課長が照れている。
う~~~めっちゃカワイイんだけど
「隣いいか?」私の直属の上司が課長の隣に座った。
「何の話してんだ?」
「あ…榊原課長の奥さまのお話を聞きだしてました。」
「こいつの奥さまね~~めっちゃ美人で
俺たちの憧れのマドンナだったんだけど~いつの間にか
こいつに持って行かれてたんだよ。
結婚します~って辞表だされてビックリ仰天だったよ。」
課長は恥ずかしそうに笑っている。
「素敵~~どうやって奥さま射とめたんですか?」
「アタックしかないよな~~こう見えてけっこう熱い男だから~
最初は相手にされなかったのに押して押して押しまくって~~
な?トシ~~」
「いいって~~俺のことは
恥ずかしいだろう~~~」榊原課長は照れ笑い。
なんだか奥さまは幸せそうでうらやましいな~
「年上女房なんだよな~~それもハンパないぞ
七歳だからな~よくおとしたよ~。」
「いいって~~」榊原課長は頭をかいた。
「年上なんですか!?」思わず食い付いた。
二人は驚いたように私を見た。
「あ…いえ…年上の奥さまなんですか?」
「そうなんだよ。
新入社員の俺らにはめっちゃ高根の花だったよな。
キレイで仕事できて優しくて~~
ほんとおまえよくおとしたよ~。
元気にしてるのか?奥さまは~~」
「おう!!子育てに追われて逞しくなったけどな~」
課長がとても優しく笑ったから……
私まで幸せな気持ちになった。
年上か・・・それも七歳も……
そして課長は奥さんのこと話す時
めっちゃ優しい顔で笑うんだ……。
「今度お会いしたいです~奥さまに相談したいな~って」
「相談?」
「はい、恋の悩みを是非~~」
「言っとくよ~。」課長が笑った。
七歳も離れてるのに 幸せそうな課長
どんなに素晴らしい奥さんなんだろう……。
めっちゃめっちゃ 興味津津な私だった。