004
秋杜が幼稚園に通いだして しばらくしてから
急にいかないと言い出して由美ちゃんと尚ちゃんを困らせた。
幼稚園にも足を運んだけど なぜか理由がわからなかった。。
担任も困った様子で
「マイペースで だけどみんなから人気があって 落ち着いていて
秋杜くんのおかげで うちのクラスはとても落ち着きがあるんですよ。
だからどうして急に来ないって言うのかわからないです。」と困惑してた。
それと同時に今まで私に甘えていたのが 急に反抗的になってきた。
いつの間にか 「はっこ」が 「春湖」に変わっていた。
わがまま暴君が反抗的になると 手に負えない・・・・。
こうなったら持久戦だと 尚ちゃんが笑った。
子が子なら 親も親・・・・
運動会を明日に控えて 私は踊りの練習をしていた。
それを見ていた秋杜が
「うっせーんだよー」と言った。
「は?自分の家に帰ればいいでしょう?」と私
「お~ダンス気合いはいってんな~~」パパが慌ててわりこんできた。
「だってね~~あ~まだ言ってなかったけどね
明日は春 ゆうくんとダンスするの~~各クラス代表で輪の中心だから~」
「何???ゆうくん???許さんぞ~~」
かまわず自分で音楽を口ずさみながら 踊って見せた。
「理想のカップルなんだって~~美穂ちゃんママがこの間言ってたよ。
ゆうくんはめっちゃカッコいい子なんだって~~何でもできるって
勉強も運動も~~それに顔もカッコいいんでしょ?
リレーも一緒だしね~。」
ママが秋杜の頭をトントン叩いた。
「そうよ~背だって一番おっきいし~みんなゆうくんが大好きなの~
それに優しいんだよね~でね~春が一番好きって言うんだよ~」
「ぬわに~~ぃ~~」パパが立ち上がった。
「ほら!!秋杜 おまえも何か言ってやれ!! 」パパの声に秋杜が立ち上がった。
「おまえは俺の女だかんな。」
一瞬私もママも動きがとまった。
「は????」
パパが大爆笑した。
「よし!!よく言ったぞ!!教えた通りだな~」
「ちょっと…おかしな言葉教えないでよ!!」
「おまえは俺の女だかんな。」
その時の目は今でも忘れられない……。
「ばっかじゃない!!」私はその時心臓がキュンとしたけど
何事もなかったように 踊り続けていた。
頭の中には 明日の私とゆうくんの息の合ったダンスと
紅白リレーのことだけ~~
秋杜は学校行事には絶対に見に来なかったのに
「明日は俺も行くから~」と言った。
「来なくていいよ。ずっと座ってんの嫌いなんでしょ~」
秋杜はとにかく長く縛られることが嫌いだった。
とにかく本を読んだりゲームをしたりと どっちかと言えばオタク系
「春 オタク系って苦手だな~~男子はやっぱり外で真っ黒になってるのがいい。」
色白な秋杜にわざとに言ってやった。
「フン」鼻先で笑った。
めっちゃ腹立つんだけど…ちっこいくせに生意気なんだって~~
「この~~幼稚園もまともにいけないでカッコつけんなよ~」
ついつい言いってしまった。
秋杜は眉間にしわをよせて私を睨みつけた。
「早く帰れ!!」
私と秋杜は一人っ子同士だけど 二人でいるとまるで姉弟喧嘩のように
毎日毎日 喧嘩してたのは この頃からだった。