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       042

急いでシャワーを浴びてでてくると いい匂いがした。



「ん~~?」

キッチンに行くと 秋杜がちょうど 炒飯をつくっていた。



「あれ?秋杜ってご飯作れるの?期待してなかったんだけど…」




「作るよ~たま~~に~」




「それなら私を起こさないで自分で食べてたらいいのに」




「春湖と食べたいから…」ボソッと言った。



私は一気に頬が熱くなって 慌てて秋杜から離れた。




「お茶 いれて」



「あ うん」



麦茶を二つ用意したら 秋杜が皿にもられた炒飯を持って来た。



「ありがとう~」めちゃめちゃ美味しそうだった。



  悔しいけど私よりうまいかも~~



秋杜は私の正面に座った。



「いただきま~す」わざとに元気に騒いで燃える頬を隠しながら

一口つめこんで



「あ~~めっちゃ美味い!!秋杜何?なんでこんなに上手なの?」

私は夢中でかきこんだ。




「美味い~~」感動するくらい美味しいから私もさすがに



  負けたな


と認めるしかなくなった。



食べ終えると 秋杜は立ちあがってしばらくして

戻ってきた。



私も食べ終えて立ち上がろうとすると

秋杜が私の肩をおさえてまた座らせる。




「ん?」



後ろから突然温かい温風が吹いてきた。



「キャ…」



秋杜が私の髪の毛にドライヤーをあててくれていた。



「あ…いいよ~~」慌てて立ち上がろうとしたら

またおさえ付けられた。




「めんどくさいんだろ?」



「そりゃそうだけど……朝は違うよ~~」



「朝は忙しいから無理だけど 夜は俺が髪の毛乾かす係だから~」



「え?」



「春湖の髪の毛にドライヤーかける専属~」



心臓がまた鳴りだした。



「そんないいよ~~」




「俺がやりたいって言うんだから おまえは黙って座ってろ!!」

怒ってしまった。




秋杜の指が優しく髪の毛に触れる。

ドキドキして…だけどドライヤーの熱と指の心地よさに

私は酔いしれる……。




長い髪の毛を丁寧に乾かして ブラシをつかってドライする。




  本格的・・・・

  他の女にも…こんなことしてるのか????



そう思うと今度はとってもイヤな気持ちに変わっていく…

秋杜がこの前見た年上の女ともそんなプレイを楽しんでいるような気がした。




髪の毛が完全に乾くと

秋杜は私の頭に顔を近づけてクンクン嗅いだ。



「え?臭いの??」私は真っ青になった。



「いや~うちのシャンプーの匂いがする。」



「そりゃそうだよ。秋杜の家の風呂だしね~~」




秋杜の顔が首筋にも下がって来た。



「ちょ…臭いの!?」私はドキドキしている。




「いや~俺のボディソープの匂いっていい匂いだろ?

買いもの行ったら俺が選ぶから~

春湖の使うシャンプーもリンスもソープも~~~」



「へ?何で??」もう恥ずかしさで噴火寸前



「春湖を俺の好きな香りで包みたい・・・・」




頭の先で小噴火を繰り返してる。

秋杜の唇が髪の毛の上から首筋に触れて ゾクゾクと震えた。



  いけね~~~って!!



「秋杜くん~そうやって女を口説くわざいつ見につけたの?」




秋杜が顔を離して 私は少しガッカリした。




「他の女はそれで落ちても…私のように卑屈な女には難しいよ~~」



わざとに大げさに立ちあがって


「秋杜にめっちゃ美味い炒飯作ってもらったから

恩返しに片づけさせてもらいま~~す!!」



そう叫んで テーブルの上を片付けた。



秋杜の視線が痛いほど背中に刺さる・・・・。



  秋杜 本気じゃないよね……?

  もうこれ以上 ドキドキさせないで……

  私が本気にならないように………



秋杜は無言でニ階に上がっていった。




なんとなく後味の悪い・・・午後になった。

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