041
引越しもあってドロのようになった体はいつまでも ベットに張り付いていた。
心地よい陽気にもう二度と起き上がりたくないと しがみついていた。
「ん……ヤダ…起きないから……」
もうそろそろ目覚めようとしてる脳に抵抗しながら
ベットにはりついていると
なんだか人の気配に振り返った。
秋杜が立っていた。
「キャ…何?ちょっと…!!」私は驚いて布団のかかってないお尻を隠した。
「何よ…秋杜…おかしなことはしないでよ……」
「あんな~ま…いいけどさ
いったい何時まで寝るんだよ。今日の当番 春湖だろ。」
「今 何時?」
「一時半・・・・・・」
「一時半!?」びっくりして飛び起きた。
「寝すぎだから~~おまえくらい起きない人間いないな。」
「だって疲れてんだもん~
昨日だって…いそがしかったし……
あ~~でもめっちゃ寝すぎた。」
スッピンの自分に気がついて慌てて顔を毛布でかくした。
「また寝るのか?」
「スッピンなんだから~~それに勝手に人の部屋に入ってこないでよ。」
「何回も入った。
だって俺 めっちゃ腹すいた……。
なんかつくってよ~~」
「適当に食べててよ~そう言う時は~~
カップめんとかないの?買って来なきゃ……。
買いものは付き合ってよ。重いんだからさ~」
「とにかく早く起きろ。おっさんだって
こんなに寝てないし…おまえくらいだ……。」
「わかったって~~
とにかく起きたらすぐにシャワーに入るから私
それからね~~」
ベットから勢いよく飛び起きた。
「さ~~!!やるか~~~ぁ~~」
「うっせーなー」秋杜が耳をおさえた。
「秋杜くんも手伝ってよ~~~」
秋杜の背中を思いきり叩いてやった。
「いて……暴力反対~~」秋杜の笑顔にキュンとした。
なんて素敵な朝でしょう~~
これからこんな日が毎日続くんだ……。
これ以上絶対 秋杜を好きにならないように
しっかりして 春湖
「すげー頭だし~~妖怪みたいだ。」
秋杜の言葉に慌てて鏡を見ると ボワボワになった髪の毛が
ライオンの鬣のようだった。
「なんかライオンみたいだな~~」意地悪王子がバカにしている。
「昨日髪の毛 乾かさないで死んだからだわ……
ドライヤー夜かけんのめっちゃ苦痛なんだもん・・・・」
髪の毛を一つにまとめた。
こんな姿も見られちゃうのか・・・・
見栄はってもちゃんとしないと……幻滅されちゃうわ……
「やっと起きたよ~~~」秋杜の言葉が背中から聞こえてきた。