039
どこで…どうなったのか……社会人として忙しい毎日の私に訪れた
思わぬ事態に頭を抱えた。
パパの転勤で…ママも一緒に海を超えて行った。
そして頼みのつなの尚ちゃんと由美ちゃん夫婦には
「春湖・・・頼む!!おまえにしか頼めないんだ。」
「ちょ…ちょっと…それはヤバイよ……」私は大慌て……
「なんとかそこを……家賃もかからんし…
食費も俺たちで出すし…ただ…春湖はここに住んでくれたらいい。」
「だって…一応男と女だよ。マズイっしょ~~」
「秋杜もなんとか学校受かるために努力してやっと通いだしたから…
せめて三年間は…ここから通わせてやりたい……」
「それはわかるけどね…だけど…」
「秋杜のダメなとこは 朝がまったくダメなことだから…
なんとか起こしてほしいの……。
それだけを仕事にしてくれていいから……お願い~~」
由美ちゃんも頭を下げた。
「親父が倒れちゃうんだもん…俺が家業つがなきゃまずいだろ
長男だからな」
尚ちゃんの実家は地方でガラス屋さんをしていた。
いずれはという事で尚ちゃんはここでガラス関係の仕事をしていた。
そのおとうさんが倒れてしまったのだった。
「社長さんになるんだ……」
「多分そう言う事になると思う……。
仕事がいい感じらしくてなんとか引き継ぎたいと思ってる。
お袋が親父の介護をするから…由美にはお袋がやっていた経理の仕事を
手伝って貰わないと難しいんだ・…。」
結局のところ 尚ちゃんは実家をつぐことになり
一人残す秋杜は 朝がめっちゃめちゃ弱いということで
私に一緒に住んで秋杜の朝を頼みたいということだった。
「秋杜だって嫌がるよ~~」焦る私
「秋杜は朝自力で起きれないの知ってるから
春湖と一緒に暮らすことはとても大事なことなんだって……
頼むよ~~春湖~~
三年だけ…高校終わるまで…それまで朝しっかり起きれるように
秋杜をしつけてほしいんだ。」
「だって・・・・」
尚ちゃんと由美ちゃんが頭を下げて
「お願い~~」と言った。
断ることなんかできるわけない・・・・・
だけど…秋杜と二人
一つ屋根の下で暮らす・・・・・。
なんて複雑な……いくらうちらがおさなじみと言ってても
私の胸の奥に芽生えた…
甘酸っぱいもの……切ない片想いの人と一緒に暮らすなんて……
私たちいったいどうなっちゃうの~~~
次の休日 私は…秋杜の家に引越してきた。
とってもとっても 複雑で…だけどちょっと楽しみだったり……
そして切なかったり……。
「おかえり~春湖~~」廊下ですれ違った秋杜がそう言った。
私と秋杜の共同生活が始まる……。