035
「俺をそこらへんのおまえの周りと一緒にするな。」
「だって…男って理性だけでは生きていけないんだよ。
愛してる女がいるのに こっちの女もつまみ食いしてみたくなる…
どーしよーもない性欲が働いて…理性を狂わせちゃうんだ。だから
うちは絶対 男なんて信用しないから~~。」
私はやっと体を起こした。
「春湖さ~なんかどーしよーもない男ばっかと付き合ったんだな~」
「あのね…男ってのがそういう生き物なのよ。
秋杜が愛のないエッチを楽しむことができるように…そういうことできる
女もいるけれど…だいたいにしてその割合は男の方が高いんだよ。
愛のないエッチを男は楽しめちゃうんだよね~~あぁ~お先真っ暗よ~~」
私は秋杜の両頬を手で挟んで
「だって…秋杜だってそう言うことしちゃってんでしょ?
まだ15歳だって言うに~~おねえさんは情けないよ…全く~~ぅ……」
酔いに任せた行動だったけど
アップで秋杜の顔を見ると いきなり心臓がバクついた。
ヤバイ…
顔が熱くなってきた。
慌てて秋杜の頬から手を離して またベットに倒れ込もうとしたとき
腰を秋杜に掴まれた。
「ちょ…何よ~」もうかなりの焦り状態で顔をまともに見られない。
今度は反対に秋杜が私の頬をはさんでまっすぐに私の顔を見た。
「な…何よ」熱い頬は秋杜の冷たい手を感じてる。
「じゃあ…俺のしたキスにも愛がないと思ってた?」
もう恥ずかしくて目をそらした。
「そ…そんなの自分が一番知ってるでしょう……」
「春湖はどう感じたのか知りたい……。」
「相手にしない…っていうか間にうけるなって言い聞かせた。」
心臓が上にあがってくるような感覚
体が全部 心臓みたいに脈打っていた。
「いつになったら……俺は春湖と同じラインに立てると思う?」
「え…?同じスタートラインって……
それは……ないかな……」
「なんで?」
「だってもしもっと大人になって秋杜と同じラインに立てたとしたら
それは一瞬のことであって 秋杜よりずっと私は早く老いていくから……
ほんと一瞬あるかないか……。」
「おまえほんとに…卑屈だよな。
もっとまともな男と付き合えよ。
まともな男に愛されたら…その卑屈さも治るかもしれねーな~」
「ひ…卑屈ってさ……。」
「男だって…愛を求めてんだよ。
頭んなかそればっかの奴もいれば…いろんな男がいるんだ。
だからおまえはもっとまともな男に愛されないと…ずっとそうやって
周りが見られなくて 大事なことを忘れてしまうんだ。」
「なんであんたみたい最近デビューしたてに人の人生語られてんのか
さっぱりわかんないわ。」
さすがに火照った頬は怒りに変わってきた。
「春湖はもっと人を愛した方がいいな~
そのままだったらおまえ一生一人ぼっちのギスギス女だな~」
「ウザイ~~秋杜~~」
「おまえの頭が潤ってないからだ。
もっと経験した方がいいぞ~~」
「あんたみたいな不純異性交遊はしたくありませんから~
自分が好きになった人とのエッチで私は愛を勉強しますから~~」
私は手で 秋杜の冷たい手を頬から離した。
「もう~あっちいってよ。秋杜なんか大嫌い~
何にも知らないくせに……別に秋杜みたいなガキにわかってもらおうと
思っちゃないからいいけど……もう離してよ……。」
秋杜の手が離れたと思った瞬間
いきなりお姫様だっこされた。
「キャーーッ 降ろしてよ~~ちょっと重いんだから……」
多分私 秋杜より体重……あるよね……
大慌ての私に
「俺の方がずっと背も高いし 力もあるし
おまえなんか簡単に持ち上げられるし……なのにいつまで
ガキ呼ばわりされるんだ?
いつになったらおまえに男だって認めてもらえるんだ?」
もう…失神寸前で……体の力が抜けた。