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運命って……本当にそんなこと信じてる?
年相応 生活する場所が違うと考え方も 価値観も 違って
いつかそれが少しづつずれてきて…終わりを迎える。
もう傷つきたくないし……
想像しても私と秋杜が愛し合うなんて…ありえない
イヤありえないって私は必死に思いこもうとしてる。
だって・・・見かけは成長してきたけど……私にとってはまだまだ
秋杜はやっぱり子供なんだもん
だけど…秋杜といると胸がときめく……。
違うってときめいているんじゃないって思っても……
本当はときめいてるのを私は感じてる。
秋杜を男として見る日が来ることを 恐れている……。
男として見た時 秋杜が私をまた運命だって言って
抱きしめたなら…今度は真面目に秋杜の虜になって……
年上の彼女になって……そして…いつか別れがやってくるから
きっと…きっと
しばらく離れていたらきっと……秋杜はあきらめてくれる。
そして私も年相応の恋人を見つけて 結婚でもしよう……。
複雑な想いを抱いて 私は新しい生活をスタートさせた。
洋菓子工場のアルバイトに夢中になって パパやママは嘆いたけど
一度も家に戻らない日を過ごしていた。
就活が始まって 私は必死にいろんな企業を回ったけど
この時代・・・・・そうは簡単には決まるわけもなく……
それは周りがみんなそうだったけど……それはそれは辛い現実だった……。
高卒でもなく 短大でも苦しみ 大学でも決まらず
就職するって大変なことなのを初めて知った。
卒業が見えてきて焦り出したころ何度か顔を合わせていた
アルバイト先の取引先の人がデパートの人で その人が人事に話を通してくれて
何と…何と…札幌の老舗のデパートの受付兼電話受付の仕事に
無事に就職が決まって
私はひさしぶりに札幌に戻ってきた。
パパとママは大喜び だけど……
「悪いんだけど…部屋借りたから……」言いづらかったけど……
「え?なんで?わざわざ…もったいないでしょう…」ママがおろおろした。
「せっかく二年も寮でも一人で暮らしたんだし
パパとママが学費と寮代を払ってくれたから…私はずい分貯めれたから
アパートの頭金につかったの。これからは週一必ず帰るから…お願い~~」
最初は許さないと言っていた二人だったけど やっぱ引かない性格の私に
いつものように折れた。
平野 春湖 20歳 春
デパガ で 一人暮らし 楽しい毎日になりそうな予感
「恋も解禁だな~~」 私はそう叫んだ~。