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その日の夜に
『生理がきました。別れてください。』そう書いてメールを送って
まーくんのアドレスを拒否アドレスに登録した。
終わったよ……
そう思うと バカだった自分が浮かんできて 痛い子の私は泣いてしまった。
だけどこっちから決断できたことで半分はもう立ち直っていた。
塾をやめると言ったら ママはなんで?と言ったけど
「先生が嫌い」と言った。
学校が始まって 進路先を決める担任との話し合いで
私は地方の短大に行くことに決めた。
「なんで地方なんだ?ここにはいっぱいあるじゃないか?」
「一人で暮らして見たいから~」それしかなかった。
パパとママは猛反対したけど 私が一度言いだすと引かない性格だから
そのうちあきらめて…女学生用の寮に入るならと渋々オッケーした。
しばらく男はいいですよ
門限や縛りの厳しい寮だったけど 別にそんなことはよかった。
とにかく少しこのぬくぬくした環境から飛び出したかったから……
秋杜にときめく自分が好きになれないから……
寸前まで秋杜の耳に入れないことで親たちも結託した。
秋杜…なんて言うかな……
あっという間に時は過ぎて…私は推薦入学が決まって
卒業式を終えた。
その夜 私の家でお祝いの会を開いてくれて その時に秋杜に話すことにしていた。
秋杜はいつものように 目線はテレビから離さずにごちそうを食べて
さっさと部屋に帰ってしまった。
私はその後を追って 秋杜の部屋をノックした。
秋杜がドアを開いた。
「何?」
「ちょっと話が合ってさ……」胸がドキドキした。
いつものように秋杜はベットで横になって本を開いた。
「あのさ…私の進路先なんだけど…地方へ行くことにしたの。」
秋杜の本がばたんと閉じられた。
「は?なんで札幌の方がたくさんあんのに?何のために?」
秋杜の冷たい視線にドキドキしてる。
「環境を変えたかったから…早く大人になりたかったの。」
「ふ~~ん…バカな考えは春湖らしいな~」
「な…何よ!!バカって!!」
「何から逃げてんの?春湖?」
「え?逃げる?」 秋杜が体を起こしてベットに腰掛けた。
「現実逃避?」
「そんなことないけど……一人で暮らしたかったの……」
「高校生になってもそんな考えだから春湖は大人になれないんだ。」
「ちょ…ちょっと待ってよ……。
何であんたにそんなこと言われないといけないのか
わかんない……。」
秋杜は私の目をまっすぐに見つめた。