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      028

その日の夜に 

『生理がきました。別れてください。』そう書いてメールを送って

まーくんのアドレスを拒否アドレスに登録した。



  終わったよ……


そう思うと バカだった自分が浮かんできて 痛い子の私は泣いてしまった。

だけどこっちから決断できたことで半分はもう立ち直っていた。



塾をやめると言ったら ママはなんで?と言ったけど

「先生が嫌い」と言った。



学校が始まって 進路先を決める担任との話し合いで

私は地方の短大に行くことに決めた。


「なんで地方なんだ?ここにはいっぱいあるじゃないか?」



「一人で暮らして見たいから~」それしかなかった。



パパとママは猛反対したけど 私が一度言いだすと引かない性格だから

そのうちあきらめて…女学生用の寮に入るならと渋々オッケーした。



  しばらく男はいいですよ



門限や縛りの厳しい寮だったけど 別にそんなことはよかった。

とにかく少しこのぬくぬくした環境から飛び出したかったから……



秋杜にときめく自分が好きになれないから……



寸前まで秋杜の耳に入れないことで親たちも結託した。


  秋杜…なんて言うかな……


あっという間に時は過ぎて…私は推薦入学が決まって

卒業式を終えた。



その夜 私の家でお祝いの会を開いてくれて その時に秋杜に話すことにしていた。

秋杜はいつものように 目線はテレビから離さずにごちそうを食べて

さっさと部屋に帰ってしまった。


私はその後を追って 秋杜の部屋をノックした。



秋杜がドアを開いた。


「何?」



「ちょっと話が合ってさ……」胸がドキドキした。



いつものように秋杜はベットで横になって本を開いた。



「あのさ…私の進路先なんだけど…地方へ行くことにしたの。」


秋杜の本がばたんと閉じられた。



「は?なんで札幌の方がたくさんあんのに?何のために?」

秋杜の冷たい視線にドキドキしてる。



「環境を変えたかったから…早く大人になりたかったの。」



「ふ~~ん…バカな考えは春湖らしいな~」



「な…何よ!!バカって!!」



「何から逃げてんの?春湖?」



「え?逃げる?」 秋杜が体を起こしてベットに腰掛けた。



「現実逃避?」



「そんなことないけど……一人で暮らしたかったの……」



「高校生になってもそんな考えだから春湖は大人になれないんだ。」



「ちょ…ちょっと待ってよ……。

何であんたにそんなこと言われないといけないのか

わかんない……。」




秋杜は私の目をまっすぐに見つめた。



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