024
まーくんとデートの日 私は待ち合わせ場所でいつものように待っていた。
いつものようにまーくんは現れて 真っ黒に日焼けした顔を出して
「ひさしぶり~」と言った。
ホントだよ…真っ黒な顔して…どういう言い訳を今回はしてくれるんだろ
熱にうなされてたせいか私の頭の中 戦闘モード
すごく強がってる
でもこのモードが切れたら 私ヘナヘナでボロボロになっちゃいそうだから
必死で 本当は すごく必死にこの状況を楽しもうとしてる。
傷ついてる…
だって嘘に気づかず まーくんに全部捧げて……
彼が彼女と楽しんでる間も まーくんのこと待ってたんだから…
痛い子なの…
可哀そうで……
情けなくて……
だけど…だけど…絶対に負けたくないから
いつもどおりの実家での話
おばあちゃんの法事での出来事
毎日甥っ子たちと海水浴
早く帰って私を抱きしめたいってそればっか思ってた
今までなら…知らなかったら…全然~~それを信じて
だったら早く二人っきりになろうよ
なんてバカな私を後悔した。
今までこんな嘘を信じて…騙されてたなんて…情けない…
乙女の純情を弄びやがって
日焼けした横顔が憎たらしい……
「どこに行く?いつものホテルに行くか?」
「今日はまーくんの部屋に行きたい。
だって一回も招待してくれないから……」
「え・・・部屋は…ちょっと……」
いつも嫌がるから 言わないようにしてたんだ。
部屋には嫌がる何かがあるから
「今度片付けておいてね~」
今回はそういっておこう。
「ごめんね 今日は女の子の日にぶつかったの。
残念だけど…ホテルはまた今度で
今日はドライブでいい?」
まーくんの横顔を観察する。
ちょっとつまらなそうな顔をしたのがハッキリわかった。
いつも思い通りだったから……
もう…まーくんが都合よく私を置いてる理由は
婚約者がいるということは…
会えない間の欲望だけか……。
最低だ………
一つが見えたらすべてが繋がっていくって不思議だった。
今まで見えなかった彼の心が
こんなにも簡単に現れている……。
嘘に嘘を重ねて……
ドライブ中も彼の嘘の話を聞かされていた。
よくこんなに嘘を重ねてくれたね~
めっちゃしらける……。
知らなかったらその嘘にいちいち反応して笑ったり質問したり
バカじゃないの私………。
「あれ?今日なんか静かだな?」
「あ・・ううん~ほら私 こう見えて病みあがりだからね。」
「そうだったな~じゃあ今日は無理せず
早めに送って行こうかな~」
エッチできないから早く帰ってもらおうって…魂胆か
「ごめんね~元気になったらまた…」
「来週末はもう女の子終わってるだろう?
ずっと会えなかったら めちゃめちゃたまってるんだって~俺~」
そう言うと笑った。
今までならその たまってる って言葉にも愛を感じてたけどさ
それはただの性欲だったのに……
本当に私は バカだったよ……。
「ちょっと買いものしていきたいから地下鉄の駅で降ろして~」
言った通りにさっさと地下鉄の駅で降ろして
嘘つきまーくんは去っていった。
一人取り残されて…
「私って…めっちゃ痛い子だったんだ……」
とつぶやいた.......。