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パパと腕を組んで歩くバージンロード
子どもの頃 夢見てたこのシーン
あの頃まさかそこで待っているのが秋杜だなんて夢にも
思っていなかったけど
今 そこで待っている秋杜が愛おしくてたまらない。
「おめでとう~~」
声がして顔を向けると 課長と一世さんが笑顔で手を振った。
私も嬉しくて思わず手を振る。
「きれいよ!!春湖ちゃん!!おめでとう!!」
一世さんが微笑んだ。
ママと由美ちゃんと尚ちゃんが見つめている
翔夢はベビーカーの中で眠っている。
感謝の気持ちで一杯だった。
私は立ち止って頭を下げた。
そしてパパと秋杜が交代して 今度は秋杜の腕をとる。
「めっちゃきれい 多分俺の中ではどんなきれいなものより
一番きれいだ。」
その言葉に 恥ずかしくて顔が真っ赤になったけど
ベールで顔が隠れていてホッとした。
「ありがとう。ビックリしたよ……。」
神父さんの前に立って 私たちは永遠の愛を神様に誓う。
この感激を忘れずに ずっとずっと変わらない愛を
秋杜に注ぎ続けることを誓った。
「誓います……。」
指輪の交換の時 秋杜が
「お年玉貯めてたんだ…って使うとこがなかったから……
気にいってくれたら嬉しいんだけど……」
そう言って私の指に静かにはめてくれた。
私も震える指で 秋杜の薬指に指輪をはめた。
「すごく素敵なデザインだわ。」
「よかった~。」
誓いのキスは短時間でいろんな思いのこもったキスだった。
唇を離して 秋杜と見つめ合う。
「信じてついてきてくれ。
もっともっと大人になって…春湖の笑顔のためなら
どんな努力も惜しまないから……。」
「はい…。私も秋杜の笑顔のためには
どんな努力も惜しまないわ。」
卒業式の日
私は 新居 春湖 になった。
そして純白のウエディングドレスを着て 神様に
二人の愛の永遠を誓い合う。
今日この時の感激を 一生忘れない
タキシードの俺様秋杜が 私のダーリンになった。