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      021

それから私は 秋杜の邪念を振り払うように

大人の女にしてくれた まーくんに執着していった。



たびたび ホテルで愛し合って…私はどんどんその深みにはまっていく……



塾でまーくんに指導されて でも頭の中は

この間あった時抱かれたことを思い出しては体の中心が熱くなって



「もっと…もっと会いたい……」そう言ってしまう。



「俺と春湖は まだ世間的には許される仲じゃないんだよ。

俺も職を失いたくないし…慎重に付き合わないと……」




「わかってる…わかってるけど……好きなの…頭がまーくんのことで一杯……」




「うれしいけどさ……本当は俺と春湖の生きる場所は…違うんだよ。

その決まりを無視してこういうことをしているってことは……

それなりの我慢をしないと…ダメなんだよ……。」



  我慢…我慢…

そう言って まーくんは私を我慢させる



「まーくんが悪いんだよ…春をこんなにして……

責任とってよ……。」




「いいよ~~今日もたっぷり…愛してやるから……」



まーくんは車のキーをテーブルにおいた。

私の作ったマスコットも一緒・・・・・。



「大好き…まーくん…もう…春湖…まーくんいないと死んじゃうよ……」



  まーくん いないと……



そんな激しい愛の中にいた私も…とうとう現実を知る時が来たんだ。



こんなに私を夢中にさせて……


なのに……

男の身勝手さ……嘘……

もう男なんて絶対に信じないって……



まーくん一人に全部教えられてしまった……。




それは高校三年の夏期講習後の短い休みが終わった

久々の塾の日だった。



まーくんも実家に帰っていて ひさしぶりに会う塾

私はうれしくてウキウキしてた。



週末にはお泊まりをすることになっていて

会えなかった時間分 一杯愛してもらうんだって一人で張り切っていた。




普段あまり話をしたことのない違う高校の女の子と 塾に行く途中で会った。



「ひさしぶり~日焼けした?」私が聞くと



「うん~タヒチに行ってたの~」と笑顔で言った。



「タヒチ?すごい~~~すごいね~~」思わず興奮した。




「あのね…あ…本当は誰にも言っちゃダメって…言われたんだけど

あ~~言いたい~~絶対言わないでね~~特に先生にはダメよ~~」


もったいつけて言うから



「うん!!教えて~~」と私はその子の腕をとった。



「タヒチでね~~先生に会ったのよ~~

海上コテージが偶然にも隣同士でね……」




私はその子の話を聞いて……地獄に落ちた……。




生きる世界が違う

私はそれを 秋杜に同じことを言ってきた。




でも…まーくんにそう言われた時は 年の差なんて関係ないって思ってた。



  生きる場所が違う




私は 今まで夢の世界で生きていたのかもしれない……現実は………


嘘で固まれてて…私がこんなに浮足立ってなかったら

本当はもっと早く気づくことだったのかもしれない………。



あの日の不審さを…私は忘れていたけど……

あれから何度も 今思えば不審だと思われる行動は冷静になれば気づいていたのに



人を愛しすぎてしまうと それが何も見えなくなってしまう恐ろしさを

私は知ることになった……。



まーくんの生きる場所・・・・・・。


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