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学校から惜しまれながらも 進路先を美容師になるための学校へ決めて

秋杜は なんとか夢への第一歩を掴んだ。


先月からは車の免許も取りだした。




将来の夢に向かって進もうとする息子の姿に 秋杜の両親はとても喜んだ。

やりたいことをそんなに早く見つけられるのは

すごいことだと……



  大学に行かせたかったんだろうな



私は片隅に申し訳ない気持ちで一杯だった。



秋杜は頭がいいから

小さい頃から



「こいつは大物になるぞ。」


尚ちゃんはそう言って目を細めていた。



翔夢は家族から愛されてすくすく育っていた。



初めて笑った時 寝返りを成功させた時 ハイハイを始めた時

おすわりした…そして今は……つかまり立ちの修行中だ。



意思表示は父親譲りでハッキリしてて 

そして…私が大好きなところまで秋杜にまる写しだった。



「ンマン・・・マ……」私のことを呼べるようになってきた。



「ずるいなママだけ……」



秋杜は口を尖らせる。



「おまえは俺の最大のライバルだな。」




翔夢を抱き上げ高く天井にかざすと 部屋中に翔夢の笑い声が響き渡る。



「幸せ……。」



私も秋杜の背中に抱きついて 翔夢の笑い声を

秋杜と一緒に楽しむ……。



そんな毎日が続いて…季節はめぐり白い雪が舞い散る冬から

そして春の足音が近づく三月……



秋杜が卒業式を迎える。



ひさしぶりに全員顔を合わせて 今日の日を迎えた。




今日は卒業式と 晴れて入籍の日を迎える。



「やっと春湖と翔夢に…父親としてちゃんと戸籍上の

役割を果たせるな。」



秋杜の胸の中で私は目を閉じた。




「新居 春湖 と 新居 翔夢 になるんだね。」




「そうだよ。

これからは堂々と外を歩いて 友達に二人を紹介して

暖かくなったら翔夢を連れて公園に出かけよう。

それに……もうすぐ免許もとれるし……三人で堂々といろんなとこ

行って思い出作ろうな。」




「うん……。」あらためてその感動がわきあがってくる。




やっと堂々と歩けるんだ。

一目を気にしなくていいんだ……。



もう平野 春湖 と 平野 翔夢 じゃない……。





「ごめんな。今まで辛かっただろう?」

秋杜は私の頭を優しく撫ぜた。




「名前よりも…毎日たくさん愛してくれたから

それだけで充分…ありがとう……。

これからもまた……たくさん愛をくれれば……嬉しいよ……。」




秋杜は私を抱きしめて



「愛してるよ。」そう言ってくれた。



テーブルの上には 両親たちに見守られながら書いた

婚姻届が置いてある。




私と翔夢は今日

秋杜の卒業式に参加することになっている。



秋杜がセットしてくれた髪の毛確認しに鏡の前に立つと

そこにうつった私は



世界一幸せな笑顔ができる女になった気がした。



お待たせいたしました。

やっと少しづつですが 部屋らしくなってきて

更新する環境が整いつつあります。

これからも よろしくお願いします。

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