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入院中は事情を知っている人たちがたくさん

見舞に来てくれた。



一世さんも大興奮の私の子供


「絶対将来 アイドルだね~

このつぶらな瞳がたまんない~~」



社長の奥さまと 光太郎の双子の姉が来たのには

ぶっ飛んだ。



とても可愛いベビー服をお祝いにってくれた。



「これ着せたら写真送りますから。」



楽しみだった。

どんどん増えて行くベビー服

これを着る この子が楽しみでならない。





退院する前日も 秋杜は頭を抱えていた。



「名前……難しい~~~」



「あれ?だって一杯言ってたじゃん

いろんな名前~~どれにしようか迷うくらい~~」




「ん~でもさ実際こうやって対面すると

どれもこれもぱっとしないんだ。」



秋杜はおっぱいに吸いついて フガフガ言ってる赤ちゃんを見つめた。



早くからおっぱいが出るようになった私は

なんとか母乳一本でやっていけるようになった。



片方をあげてるともう片方からも母乳が溢れだす。



由美ちゃんと母が退院後のお産扱いをしてくれると

泊まりだして毎回見舞に来てくれている。


張り切る二人に一杯甘えておこうと思った。



戸籍上 まだこの子には父親がいないから……

それが少し残念だけど



もう少し…秋杜が18になって卒業式の日 入籍をしようと決めていた。



「勉強より難しいな~だってコイツの人生にずっと付き合って行く名前だろ

責任重大だよな~~」



「そうだね~でも私は自分の名前は好きだったな~

特に漢字が好き。」



「春湖が春だから秋に生まれた俺は秋杜 なんか安易だな~~」



秋杜はまた考えこんだ。



「頼むね~おとうさん~~」




秋杜の頬にキスをした。




「しばらくはかあちゃんたち邪魔だから……

ベタベタできないけどさ~~早く一日中抱きしめていたい……。」




「私も~~でもね……赤ちゃん生れたら一日中は無理よ~」


私はおかしくて笑った。



「あ…そうだ。こいつは史上最大のライバルだからな~~

ルイト問題にならな……い…ってごめん・・・・・」


言いかけて秋杜が謝った。



「ルイトと比べる?」



私はおかしくてケラケラ笑った。



ルイトが向こうの映画に出ることになったって一世さんたちが

教えてくれて 明日制作発表らしい。

日本でもそのことが話題になってて 私も凄く楽しみだった。



  頑張れ 光太郎~~



おっぱいにむせて赤ちゃんが苦しそうにせき込んだ。




「大丈夫か~~?もしも~し」



力いっぱい可愛い声で顔を真っ赤にしてせき込んでいる。



「生きてんだよ~こんなちっこいのに~~頑張ってんだよ~~」




秋杜はそう言うと顔面母乳だらけの 赤ちゃんの顔を

優しくガーゼで拭いた。



「……とむ………」




「ん?」




「とむってどう?」




「とむって…ジェリーはどこ?って感じ?」

私がボケると秋杜が



「あのな~~~」と私の鼻をつまんだ。




「翔に夢で……翔夢……トム……

夢に向かって飛べ……みたいな………。」





「いいんじゃない!?ジェリーがいないけど~

素敵な名前だわ。」





「今はまだ…平井 翔夢 だけど……

新居 翔夢 とむって呼べるだろう?」




「いいんじゃない~なるほどって感じするわ。

希望を感じる素敵な名前ね。」




二人でまた片方のおっぱいに吸いつく翔夢に



「翔夢…新居 翔夢くん~~」と声をかけた。




そして目が合った秋杜とキスをした。




「大好きよ……秋杜……。」私は秋杜の肩に頭を乗せた。




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