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「春湖…これでよかったのか?」




「え?」




「こんなに早く自分の人生決めちゃって……まだまだ選択肢はいろいろあるのに……

この状況が春湖にとって一番幸せだと思えるのかなって……」



光太郎の質問は思ってもいないことだったから

私は一瞬考えたけど



「考えてみてもね……私の未来に秋杜はいるから……

これがちょっと早かったかもしれないけれど一番願っていた未来になると思う。」




しばらく沈黙が続いて



「どうしてそんなこと聞いたんですか?」

恐る恐る聞いてみた。




「春湖のさ・・・未来には少しか俺の可能性もあるのかな

なんて思ってたから……その状況ではもう……希望を持って1%かな。」


光太郎が笑った。




「何言ってんですか 縁起でもない……

1%だってありませんから……。」思わず口から出てしまった。




「あ…そっか?そうだったか?」光太郎がゲラゲラ笑った。




「冗談は……顔だけにしてくださいね。」

自分の言った言葉があまりにキツイ言葉だったのに気づいて

慌てて私も冗談っぽく言った。




「わかった?そっかそっか~~春湖の人生に悔いはないか~

立派だな~~うらやましいな~そうやって胸を張れるって。」



「光太郎さんだって素敵な人生じゃないですか。

夢に向かって突き進む。かっこいいです。

それにまた素敵になりました。あなたの放つオーラーは……

天才的だと私は思います。」




「うれしいな~春湖にそう言ってもらえるとめっちゃうれしいよ。

そうなんだ。オーラーが強すぎてさ主人公がかすむんだってさ。

仕方ないよな~俺にはオーラーがあるんだから

主役を食うなっていうなら 俺を主役にしろってな~~

所詮外人だと思ってるから……人種的に見下されてるのか……

俺を認めようとしないんだよな。」



光太郎は悲しげだった。



「いろんな壁にぶち会ったってるよ。

オーラーを消せって言われてんのが一番不可解だけどな。」



  悩んでるんだ……



「世界の壁は高いな……」光太郎の横顔が悲しげだった。




「何を言ってるんですか!!

私はあなたがうらやましいわ……人にはもってない運や力があるもの。

あなたは私たちの希望よ……。大きく羽ばたいて……

あなたとの思い出がいつまでも色あせることはないし

秋杜に対して…後ろめたいって思わないのは……

私にとって宝物の一つになったから……だから…あなたを応援していたい……

あなたの幸せを願ってるから………。」




「あはは……」しばらく光太郎は笑って



公園の駐車場に車を停めた。




「春湖に会えて……よかったよ。

なんか憑き物がいなくなった気がする……。」




「私はいつも辛い時 光太郎さんに救ってもらってる……。

だからお役に立てたなら最高にうれしいわ。」




「前を見て……羽ばたくか……

いつか主役をとるまで腐らないで……このオーラーを全開にして

輝いてやるよ。」




光太郎と目が合って心臓がキュンとした。




「愛してるよ…春湖……。」光太郎に言われてドキンとした。




「俺もおまえの幸せを一番に祈ってる。

もっと早く違う形で出あっていたら俺にもチャンスはあったかな?」




「……ないです……。秋杜とはもう長いから……。」




「そうだよな~~~。」





「素直になって……あなたに必要なのは香澄さんでしょう?

同じ先の夢を見てるのは…香澄さんだけです。

苦しむあなたを抱きしめるのも……彼女しかいない……。

違いますか?」




光太郎の表情が変わった。




「同じ未来を見る人と……それが一番の幸せだと思うから……。」




光太郎が車を走らせた。




「サンキュー今日 春湖に会えて俺…めっちゃラッキーだった。」



光太郎はCDのスイッチを入れて その歌を一緒に歌いだした。

甘くて…かすれた歌声に私は目を閉じる。



ミュージカルを見ている……そんな錯覚におちいるくらいに

光太郎の歌に引き込まれて行った。




  絶対できるよ……。あなたなら……



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