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絶対に離れないと誓った私たちだった。
本当は離れた方が絶対にいいのは わかっていたけど
どうしてもできなかった。
多分 萌のことがなければ
きっと私はそうしていたのかもしれない
あの時 心は求め合っていても体が離れていた時
秋杜も辛かったんだってわかった。
秋杜は頑固に 帰って来た由美ちゃんに俺様げに言う。
それを私は見守るしかない。
「まったく・・・あんたの頑固さには…」由美ちゃんもさじを投げた。
「ごめんなさい…由美ちゃん。」
心配は理解できていたら申し訳ない気分で一杯だった。
「どんなことがあっても あんたが春湖を守んなさいよ。」
「わかってる。ごめんなかあちゃん……
心配してくれるのも それが正解なのもよくわかってるけど
一緒に暮らしながらお腹の中の子供の成長を見て
生れた子供の成長を確認したい。」
「あんたの頑固さには参るわ……。
しっかりやんなさいよ、」
「かあちゃん~サンクス~~!!」
秋杜は子供のように由美ちゃんに抱きついた。
私も 子供を信じて背中を押せるような親になりたいな
二人がじゃれ合う姿を見ながらそう誓った。
次の日 由美ちゃんは一度 向こうに帰って行った。
「くれぐれも慎重にね。」
私たちにそう言って 家を後にした。
秋杜は私を抱きしめて
「春湖と子供を世界一幸せにするからな。」って言ってくれた。
「私も秋杜を世界一幸せにするから。」
顔を見合って笑いあった。
季節は秋から冬に変わりかけている。
去年 すれ違って寂しかったあの頃を思い出して
私は力一杯秋杜を 抱きしめた。
きっとうまくいく……
秋杜の温かい胸は なんだかやすらいだ。
秋杜が 大人になった気がした。