018
「いい加減にしてよ!!」
私は手で秋杜の顔を払った。
そして秋杜から逃れようと体をよじらせた その時だった。
秋杜の腕が私の腰に巻かれて 体を引き寄せられた。
そして簡単に私は秋杜の腕の中で身動きがとれなくなった。
心臓が飛び出しそうになって…息苦しかった。
「秋杜…や…やめ………てよ……。」
秋杜の息が耳にかかる。
「おまえは……俺のもんだからな……。」
そう言って 唖然とする私の唇を奪った。
何・・・?うちらキスしてんの?
顔を離すと 私の体を解放して玄関から外に出て行った。
「ちょっと……何すんの…よ…」
私は唇を手でおさえて その場に座り込んだ。
頬か焼けつくほど真っ赤かになっていた。
「今…今…私……」
秋杜に抱きしめられて……キスされた……?
「嘘よ………。そんな……。」
心がざわついている。
なんで…なんで…こんなに胸が締め付けられそうなの?
秋杜は子供だよ・・・・・。
まだ小学生だし……弟みたいなもんでしょ?
私が幼稚園でゆうくんと結婚の約束している時に
「オギャ~~」って生れたのに………。
『おまえは俺のものだ』もう何百回も言われてるのに
今日はめっちゃ興奮した……
抱きしめられてキスされて 胸がこんなにときめいている……。
まずい……秋杜の思うがままになっちゃうのだけは…シャクにさわる
絶対にありえないっちゅ~~~の~~~!!
その日のクリスマス会は 私も秋杜も参加しなかった。
もう…秋杜とは一人では会わないわ………。
まーくん~何してるの?
私 心の浮気しちゃってんのよ……。
メールするなとか…ないよ……私と仕事どっちが大事なのよ……。
今日はクリスマス……そしてそして……恋人の日………。
私と秋杜は……幼なじみで……親たちがなかよし お隣さんで……
五歳年上の私と 五歳年下の秋杜
このまま…秋杜といたら…私…やっぱマズイでしょう……。
「まーくんに……会いたいよ~~~ぉ~~」
急いで私を抱きしめてくれないと……私はどうなっちゃうかわかんないよ……。
胸のざわめきは私が…秋杜に…ときめいている証拠
だけどそれを認めるわけにはいかなかった。
私は高校生で…秋杜は……小学生だから……。
五歳……五年の二人の距離はやっぱ……大きい……。