017
「ママたちには…言わないでね…。秋杜を同志と見て教えたんだから。」
「同志ってどういう意味で?」
「なんだろ…うちらって姉弟みたいじゃん。他人なのに……。」
「俺はおまえをねーちゃんと思ったことねーよ。」
「そ…そう?でも私はあんたのことは俺様弟としか思ってないけどね~。」
秋杜が横目でめんどくさそうにため息をついた。
「ということで…まえも言ったけどね あんたに合う彼女にきっと出会うからさ~
少し女子に優しくやった方がいいよ。後で泣いても遅いんだから~
あんまり俺様してると 気がついたときには遅いんだから~~」
「おまえに指図されたくねーんだけど
俺が誰を想おうがどうしようかは関係ないよな?」
「それはそうだけどね…ただ…あんたがいつまでも私に固執してっからよ。
うちらは生きる場所が違うんだからね?わかる?
小学生と高校生 勉強内容も経験も考え方も全部違うんだもん。」
秋杜の顔が変わった。
「まぁ…おまえが誰か好きになったとしたらそれはきっと
寄り道だし…まぁいいや…。好きにしてれば……。
おまえが寄り道に気がついて 俺んとこに戻ってくるに決まってる。」
なんか見透かされてるようでいらついてきた。
「寄り道なんて言わないでよ。
私は一生懸命 その人を愛してるんだから・・・・。」
「時間の無駄だって・・・・。
おまえは俺のもんだから……。傷ついても捨てられても
捨ててきても俺んとこに戻ってくるって決まってんだ。
太陽が東から昇って 西に沈むのと同じ決まりだって~」
「何か…ムカつくんだけど…人の恋路 無駄なこととか…
そんなことガキに言われたら なまらムカつく……。
絶対 あんたの思いどおりになんかならないから……。
まーくんとするキスは最高に気持ちいいんだから……もう…
キスだけじゃないし……大人なんだから……。」
秋杜の手が私の肩を掴んだ。
「ガキ ガキ 言うな。
おまえの精神年齢より俺の方が上だからな。
俺の方がおまえよりずっと力もある……。」
「痛いって……」
掴まれた肩が悲鳴をあげた。
「離してよ!!!」
秋杜が…秋杜が…男に見えた……。
ガキだって思ってたのに…ガキなのに…ガキなのに……
私の肩を掴む 秋杜が……男に見えた。