表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
174/223

       171

一世さんのお家に入ると 幸子さんと美子さんが走って来た。


私がビックリしてると二人が


「ごめんなさい!!あのバカに自覚がないものだから

春湖ちゃんを巻き込んでしまって 仕事も休ませて…有休扱いにするから安心してね。」


かわるがわるに二人に体を揺すぶられて

私はフラフラになった。



「今日はそのお詫びといったらなんだけど 食べて!!

食べてたくさん!!」



テーブルに並べられた豪華な食事に私は驚いた。



「ほら 食べなさい!!」双子の息の合った言葉の掛け具合がすごかった。



「ありがとうございます~」


私は遠慮なくいただくことにした。



その間も幸子さんと美子さんと一世さんは 光太郎の話に盛り上がっていた。



「あの子ならほんと…心配でたまらないわ……。」

三人が声を揃えて言うけど


「そうなんですか?私には大人にしか見えないですけど?」



「それはね~春湖ちゃんの前ではカッコつけてんのよ。

大事な人に愛想つかれるくらいだもん……。あの子も少しは懲りたかと思ったけど

やっぱり自覚がないのよね……。あんなイケメンとかもてはやされてるけど

ホントのあの子を知ってたら笑っちゃうわよ。」


幸子さんが言った。




「光太郎さんの恋人ってどんな人だったんですか?」

とても興味があった。

光太郎は多くは語らずに 自分の傷と私の傷を癒したあの夜を思い出した。



「香澄ちゃんのこと?」

美子さんが言った。



「香澄ちゃんってね…私この前からずっと思ってたんだけどね……」




三人が口を揃えて言った。



「春湖ちゃんに似てる!!!」


そして口ぐちに


「やっぱり~~」とか「そうでしょう~」とか

三人のチームワークの良さを感じてしまう。



「あの子がもしも…春湖ちゃんによからぬことしたらヤキ入れないとね。」




「もしかしてもう……されてないわよね?」


三人に顔を覗き込まれて私は動揺した。



「そんなこと…ないですよ……。」



「あ~それにね~あの子ったら春湖ちゃんの好きな人に暴力振るったのよ!!」



双子は同時に

「うっそ~~~!?」と叫んだ。



「やっぱり自覚ないわ……。大問題になるでしょ普通……。

あの子にはやっぱり香澄ちゃんがいないとダメね。安心できないもの……。」



「三人とも…光太郎さんが可愛くて仕方ないんですね。」



私にはきょうだいがいないからうらやましくなった。



「心配なのよ~~いい年して~~~」



三人はそう言いながらも微笑んでいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ