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一世さんから電話がきて 私は一世さんの迎えを待っていた。
家の前に車が停まって 中から一世さんが子供を両脇に抱えて降りてきて
インターフォンを鳴らした。
モニターにうつった子供たちが手を振っている。
「は~い!!今 行きます~」
私は大きい方のチビちゃんをダッコして車に乗り込んだ。
「ごめんね…本当に大変な騒ぎになって……。」
「いえ…ただ怖いですね嘘書いてて……。」
「本当ね……間違いなくうちもそばにいたのにたまたま
二人のとこを狙われてたのね。
叔父と叔母と双子からも春湖ちゃんに申し訳ないって言われてるわ。」
「いえ・・・・。私も自覚なさすぎでした。
光太郎さんがいつもあまりにも普通の人だからついつい忘れてしまって…」
「秋杜くんやご両親も心配してるよね。」
「大丈夫です。それに今回のこと悪いことばっかじゃなくて
素敵なこともありました。」
思わず口元がゆるんでしまった。
「え?素敵なことって?」
「うふふ……」
「もったいつけない~~聞きたい~」一世さんが騒いだから
子供たちも
「聞きたい~い」と騒いだ。
「実は……秋杜と仲直りしました。
そして……しちゃいました~~」嬉しくなって思わず言ってしまった。
「え?しちゃいました?…しちゃったって……
キャ~~~本当!?あら…ちょっと……あらら~~」
一世さんは動揺しておかしな言葉を連発したから
子供たちも
「あらら~~」と騒いだ。
「まさか私と芸能人のルイトの噂が出るなんて思ってなくて
すごく混乱して…少しいろいろあってもう出て行こうって思ったら
………ってことになりました。」
「嫉妬が愛の炎をまたさらに燃えさせた…ってことね?
ま~~あら~~ホント……ちょっと深く聞きたいな~~
でもチビたちいるから……よかったわ~~
でもよかったじゃない!!」
一世さんは喜んでくれて私もまたうれしくなった。
「光太郎ったら秋杜くん殴ったりして余計に頭に来たのね。
あいつもお役に立てて喜ぶわ。」
車の中ではもう一世さんと
ガールズ?トークに花が咲いた。
「ママとおねえちゃん うるさい」
子供たちに注意を受けながら 楽しく盛り上がる。
ひさしぶりに出た外がうれしかった。