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子供のころから春湖しか愛せなかった。
執着して拒否されて 悩んでばかりいる恋だったけど
いろんなことを乗り越えて 俺は16年かけて春湖を自分のものにした。
全てを春湖にまかせて俺はもう頭が真っ白で
だけど…そんな春湖を抱いているという感動は一生忘れない……。
春湖が俺を見て恥ずかしそうに笑う。
「どう…だった?」
「めっちゃ…最高!!」俺は春湖を抱きしめる。
「よかった~~だって私だってそんなに経験豊富じゃないから……」
「わかってるよ~~
春湖は?俺……必死すぎて余裕がなくて…俺…春湖を悦ばせれた?」
初体験の俺には大問題だった。
「当たり前よ。世界で一番好きな人と一つになれるのが
何より最高のプレゼントだもん……。」
その言葉にキュンとした。
「俺・・・・生れてきてほんとよかった~~
遠回りしてきたけど…今 こんなに感動できるのがうれしい。
ずっとおまえを好きでよかった。」
春湖は潤んだ瞳で俺を見つめた。
「私もよ……秋杜がずっとそばにいてくれてよかった。
素直になれなくて悩ませてごめんなさい……。
ずっと気になる存在だったのに……ほんとに遠回りしたわ。」
愛する女を胸に抱いてもう俺は 野生化していた。
「今度は俺が春湖を一杯味わうから……。」
俺が言うと
春湖は俺の鼻をつまんで
「バカ~~」と笑った。
その日俺たちはずっとずっと 愛し合った。
16年間の年月を埋めるかのように……眠りに落ちる前
「秋杜……もう完璧よ……」春湖はそうつぶやいて 可愛い寝息を立てた。
一生俺が守るから……
やっと手にしたこの日の感動を俺は忘れない……。
早く一人前の男になって 春湖を守れる男になりたい……。
その夜は春湖の寝息を聞いていた。
守りたいそう思うと これから先俺はいったどうするべきだろう
そう考えると眠れなくなった。
将来・・・・・
五歳の年の差が うっとうしかった。
今でも学校をやめて 働いて 春湖と結婚したいと思うくらい
でも…
何の資格も持ってない普通高の自分がすぐに就職できるとは思えなかった。
俺にできること・・・・・。
眠れない夜になった。