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今まで必死におさえていたものが一気に流れ出た。
キスを繰り返して 春湖の頬に触れていた指がとうとう春湖の胸へと伸びて行った。
頭の中がもうあのことだけに集中した。
春湖はTシャツの上から恐る恐る触れている俺の指を拒まずに俺に体をまかせていた。
初めてのプレッシャーが俺を襲った。
カッコつけたってきっと…春湖にはわかってしまうから
今までプライドだけで春湖についた嘘
もう嘘はつかない・・・・・
「春湖……」俺の声は恥ずかしいくらいかすれていた。
「ん?」春湖の息づかいは少し甘い声になって俺をドキドキさせた。
「俺さ……俺…もうひとつ嘘ついてたんだ……。」
「え?嘘?」春湖の顔がまた曇った。
「ごめん…俺さ…すごくかっこつけてたんだけど……
初めてです……。」
一瞬春湖の顔が止まった。
恥ずかしくて頭が噴火しそうだった。
「俺…初めてなんだ……今まで嘘ついててごめん…」
「あ…あの25歳の教材の人は?」
「あれは…変装した萌……一度ああいう格好で歩きたかったって
合格したら付き合う約束した。」
「も…萌ちゃん!?」
「うん…見栄張って……それでそれがばれるのが恥ずかしくて
もう必死におさえてた。つらかった~~」
「あはは~~」春湖が笑いだしてしばらく笑ってて
「何よ・・・・」俺がそろそろムッとし出した時
「そうなんだ~~あ~~よかった……。私どうして秋杜が抱いてくれないのかなって
ずっと不安だったんだ。魅力…ないのかなって……」
「魅力ないって?俺はずっとずっと春湖のことだけ考えて想像して
青春時代を送っていた。」
「や~~エッチね秋杜~~」
春湖が嬉しそうに笑った。
「そっか……なんかめっちゃ嬉しい……。
秋杜が私だけのものみたいな気がして……。
だけど…私は初めてじゃないよ……。ごめんね……。」
申し訳なさそうに春湖がうつむいたから
「なの…俺には関係ないから……俺の春湖は春湖だもん……。」
「ありがと……。」
「いい?春湖……」俺は春湖を見つめた。
「ん…ずっと秋杜に抱かれたかった……。
私が……抱いていい?」
春湖の目がセクシーでドキドキした。
「うん……。お願いします。」俺はまるで子供のように言った。
春湖はクスクス笑ってたけど
「大好きよ秋杜……世界で一番大好き………。
私もきっと……ずっと秋杜が好きだったのに……必死で違うって思いこませてた。
でも……こうしていると本当に幸せだって思えるのは……
私にとって秋杜がNO1だからなの……。
私の秋杜……」そう甘い声でささやくと春湖は俺を押し倒した。
心臓ばくばくの俺の胸に耳をあてて
「緊張してる……。」と笑った。
いよいよ男になる瞬間が近づいている。
そう思うと否応なく体は毛穴まで集中し始めた。
「私の秋杜……覚悟はできてる?」
俺はすっかり年下の男になり下がっていた。
「うん……。」
期待感で興奮が増す。
「じゃあ……」
色っぽい春湖が俺の顔を見て言った。
愛する女とやっと一つになる……。
期待と興奮とそれから感動で そのあとはもう必死だった。
嘘をすべて脱ぎ去って素直になれた
その日・・・・・世界で一番愛してる女に 男にしてもらった。