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次の日の朝 リビングに置き去りにしていた携帯に着信が4回入っていた。
慌ててかけ直す。
「もしもし!!春湖ちゃん?なんか光太郎用事があるみたいで~~」
「もしもし春湖?」光太郎が電話を変わった。
「はい……。」
「ごめん…俺昨日 秋杜殴っちまったから……」
後で一世さんの叫びが聞こえた。
「いて…いてーよいっちゃん!!
あいつ…大丈夫だったか?喧嘩しなかったか?
俺さ なんかめっちゃめちゃ腹クソわるくて……ごめん……。」
「たいした傷じゃないから…ごめんね
私のために…巻き込んじゃったね……。」
「俺がくだらないことして…春湖に迷惑かけたなって……」
一世さんの声が聞こえなくなった。
「いいよ……。どうせもう…こんな感じだし…」
「春湖…辛かったら俺のとこに来いよ……。」
「何言ってるんですか……。光太郎さんだって…彼女のこと
忘れられないのに……。傷なめあってばっかじゃ…進まないわ……」
「俺は…俺はさ…春湖なら忘れさせてくれるかもしれないって思ってる…」
顔を見て言われなくてよかった……。
もしここに光太郎がいてこの台詞はかれたら 今ならその胸に
飛びこんでしまったかもしれない……。
「ありがとう……。
でも…光太郎さんは秋杜の次に好きだから……ちゃんと自分と向き合って
決着つくまで…甘えてはいけないと思うの……。」
「切ないな~春湖・・・・・。
なんか俺すごく切ないよ……。」
「ごめんなさい・・・・・。でもうれしいです。
そうやって想ってくれる人がいて…心強いです……。」
「そっか…じゃあ俺帰るからな……。」
帰らないで……
「はい…お仕事頑張って……ご活躍楽しみにしてます。」
悪魔になりたい……
「おまえも…頑張れ……。」
そう言うと電話は切れた。
悪魔になってその温かさを利用できたらどんなに気が晴れるだろう。
でも……できない……
心に決着をつけるまで……
私は秋杜を愛してるから………。
「部屋探ししよう……」
春はもうすぐそこまで来ている……。