表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
158/223

       156

次の日は朝早くから起きて 一世さんとおにぎりを握った。


昨日のことを一つも思いだすことなく

私はこの温かい中にいた。


途中の道の駅で車を降りて チビちゃんのトイレタイム

それからここの名物あげいもを光太郎が買ってくれて

私は 雪の帽子をかぶった美しい羊蹄山を見ながら

その大きないもを頬張った。



「おいしい~~」



「やっぱあげいもはここだよな~」

光太郎もハフハフ言いながらいもを頬張った。



「まさか今日の小旅行に春湖が参加とは思わなかったな。」



「それは私もです。」




「春湖ちゃん~ソフトクリームも寒いけど美味しいよ~」

一世さんが持ってきてくれた。



「俺の分は?」



「あ~忘れてたわ~~」そう言うと一世さんは手を振って車に戻って行った。



「ケチだな~~」



私が笑いながらソフトをなめていると

「あれ!!なんだ?」の言葉に反応してる間に

光太郎が半分かじってしまった。



「光太郎さん~~」



「うめ~~ぇ~でも…さぶ~~~ぅ~」



口の周りをアイスだらけにして光太郎が笑った。



それから山間の温泉に行って 和室を頼んだ。

チビちゃんたちは男性軍が入れてくれるというから

一世さんとゆっくり温泉につかる。



「大丈夫?春湖ちゃん……」



「はい…今はすごく落ち着いてます。

ありがたいと思ってます。」



「そんなことはいいのよ。

ただ……これからどうするの?大丈夫?」



「はい…よく考えます。

悔いのないように……少し素直になってみます。

光太郎さんにも言われました。」



「そっか~~あいつも素直じゃなくて後悔派だからね……。」



「そうなんですか……。」



「わがままで甘えん坊で王子さまみたいなとこあるからね……

好きな子にあまえすぎてて 呆れられちゃったんだね……。」



「失恋したってその人なんですね。」



「マネージャーだったの彼女 だからタレントと恋するのはご法度でしょ。

秘密の恋だったから……余計に疲れたんじゃないかな。」



「その人はまだマネージャーしてるんですか?」



「担当替えを会社に訴えて 今は若い女優さんのマネージャーしてるみたい。」



「かわいそうに……。」



「いいのよ だって光太郎はずい分大人になったから。

いつまでもそこにいちゃダメなんだと思うわ。

好きだから突き放す…彼女はそんな気持ちだったんだと思う。

彼女から離れたルイトは仕事で輝き始めたから……きっと

あの子ならそんな光太郎を見て喜んでる気がするわ。」



光太郎が荒れていたあの日



詳しくは知らなかったけど いろいろ辛いことがあったんだ……。



「私も…頑張らなきゃ~~」



「そうよ。頑張って~~

春湖ちゃんはまだ若くてキレイなんだからね。

まだまだこれからよ。

私だってたくさん悩んで泣いてそして…今こうして彼と出会って

家族を築いている……いろんなことあっても

結局最後は決まってるのよ運命なんだから……。」




「はい。本当にありがとうございました。」




露天風呂には雪が舞っている。



「さてさて…男性軍はどうしてるかな~~~」



一世さんの声が響いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ