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カラオケで萌に 説教されてなんだか イライラしてきた。


萌のするどい突っ込みにかなり傷ついて帰って来た。



「秋杜があの人に対して たくらんだとしてもムリよ。

嫉妬さえしないから~もうあきらめたら~~

私が何言ったって仕掛けたって あの人めっちゃおちついていたじゃん~」



  確かに……嫉妬のしの字も感じられなかった。



萌がめずらしくずっと怒り続けてたから

俺はそのあとずっと萌から怒られていたように思う。



だからもう家の前についた時は イライラが頂点だった。



春湖に対しての憤りに感情がたかぶってきていた。



  ヤバイ…今日は余計なこと言わないで寝るに限るな…



リビングに顔を出すと春湖がめっちゃ機嫌の悪い顔をしていた。

さっきまでの天使の笑顔は?

と言いたくなるほどの機嫌の悪さにイヤな予感がした。




予感は的中して 春湖の怒りが爆発した。

怒りは俺の期待した怒りではなく(嫉妬)ご飯作って待ってたのに

という怒りだったから…俺もとうとう爆発した。



いつものように 言葉はエスカレートして行って

いつもなら言わなくていい言葉なのに 萌に散々突っ込まれていたから

俺も余計な事を言い返して


とうとう春湖が


「もう一緒に住めない。」と言った。



俺はその言葉に一瞬たじろいたけど

もう止められなかった。


自分がやっと平静に戻ったのは・・・・春湖が出て行って

しばらくしてからだった。




カーテンを開けて外をみる。

春湖はいなかった。



いつも羽織ってるコートは玄関にかかったままで



  あいつ…あの格好で出ていったんだ



天気予報では 初雪の便りはそろそろだった。



「バカだな・・・・手がやけるんだから・・・」



俺も家を飛び出して 春湖を探した。

冷えた肌を刺す冷気が 俺をどんどん冷静にしていった。



  春湖がこのまま戻らなかったら……



冷静なると不安になった。



 なんで俺は・・・ガキなんだ・・・



春湖の前では 大人になりたいのに

一番なりたい人の前で・・・いつまでもガキなんだ……。




「春湖・・・・春湖・・・・・」




暗闇の中 春湖を呼ぶ声がどんどん大きくなる。




  春湖を・・・失いたくないんだ



走って 走って・・・・・



そしてやっと…向かい側の歩道を トボトボ歩いてる春湖を見つけた。

愛おしくて…抱きしめたくて



「春湖!!!!」と叫んだ。




俺の方を見て 春湖が背を向けた。




  絶対離したくないんだ!!!




俺は道路に飛び出した。

そしてものすごい音を立てて車が突っ込んできた。




  死にたくない




春湖を絶対 離さないから!!!

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