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春湖は俺を待っていて…すごく心配したようだった。
俺はなんて言っていいのかうまく言えずにいた。
とにかく謝るけど 春湖の怒りはおさまらない。
萌のこと話そうと思っているけれど うまく言葉がまとまらない。
そのうちに携帯が鳴って
また嘘をついた俺に春湖はブチギレた。
俺は逃げるようにしてその場を避難した。
「今日はごめんね。あのね…一度会った方がいいと思うんだ。
私を彼女に紹介して そしたら彼女も安心すると思うの。」
「ありがとう。
俺も一度ちゃんと話そうと思ってるんだ。
萌は女だけど 俺にとっては男の友達と何も変わらないから
それをわかってもらおうと思って。」
「ね…?私は女ですからね~」
「ごめん~ごめん~」
なぜだろう 萌と話すと心が癒されるんだ。
きっとこれは友情の安心感なのかもしれない。
「明日 彼女に会いにいっていい?」
「いいけど…具合はどうなんだ?」
「もう大丈夫だから~じゃ明日ね~~」
俺も疲れていたからそのまま制服を着たままで眠ってしまった。
朝の風の冷たさに目がさめて飛びあがった。
うわ最低だ・・・・自分
寝てしまって春湖と話すのを忘れてしまっていた。
最低だな……
気が重かったけど 春湖の部屋のドアを開けたら
まだ機嫌のなおらない春湖がいた。
あたり前だけど・・・・
これ以上なんて言ったらいいんだろう
ごめんとか気をつけるとか
そんなことしか言えない自分が 煮えきらなくて情けない。
萌に会わせて…ちゃんと話そう。
春湖に出て行けと言われて俺は渋々部屋から出された。
今日こそはちゃんと話そう
春湖は今日休みのようだった。
後ろ髪引かれる思いで 家を出た。