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学校に行くと 萌が走ってきて
「どうだった?ちゃんと謝った?」と聞いた。
「うん。今日の夕飯作るって言ったら少しニッコリしてくれた。
買いものして……今日はゆっくり二人で話してみる。」
「よかったね~~彼女わかってくれるといいね。」
萌がそう言って笑ってくれた。
「ありがとう~萌にはサンキューだったな。」
「サンキューって私が悪いんだよ。心配するよ。」
「ま・・・それだけでもないんだけどな~」
今日こそは絶対仲直りする
俺はそう胸に誓って 春湖の好きな献立を考えていた。
下校時間 玄関で靴をとり変えていると
「買いもの行くんでしょ~~買いものだけ付き合うから」
そう萌が言ったから ま…いいかと思った。
「何作るの?」
「春湖の好きなあんかけ焼きそば~」
「いいな~秋杜のあんかけ~私も食べてみたいな~」
「いいよ。今度な~」
「ね~なんか急いでない?私ずっと走ってるんだけど……」
萌の息が荒くなってきた。
「あ~ごめん~足の長さが違うんだな~」
心が躍っていた。早く帰って春湖を待ちたいと思った。
スーパーが見える交差点で足を止めた。
「ハァ…ハァ…」萌の息が荒くなっていた。
「大丈夫か?おまえ体力なさすぎだぞ……」俺がそう言いかけた時
萌が崩れ落ちた。
一瞬何が起きたのか わからなかったけど
「萌・・・?萌?どうしたんだ?」
「ハァ…ハァ…ママに…連絡して……」
萌が携帯を出したから俺はそこからママを見つけて電話する。
「あ…新居ですけど…今…萌さんが…具合が悪くなって…
おかあさんに連絡してと……」
萌の母親は大慌てして今から 迎えに行くからと言った。
俺は萌の体を支えて とりあえずスーパーの外のベンチに座らせて
萌の母親の車を待っていた。
その間も萌は苦しそうにしてた。
「大丈夫か・・・?」
「ごめん…ちょっと最近…実は体調が悪かったから
迷惑かけてごめんんね。」と言った。
「そうなのか?おまえはいつも元気だから……
マジに大丈夫か?」
萌は苦しそうにうなづいて俺の肩に頭をのせた。
猛スピードで萌の母親が駐車場に入ってきて駆け付ける。
「萌!!大丈夫?病院行こうか…?」
「ううん…行かない…いえに帰りたい……」
母親が萌を抱き起こそうとしたけど大変そうだったから
萌を抱き上げた。
萌は恥ずかしそうに俺の肩に顔を埋めた。
「秋杜くん…悪いんだけど少しいい?
手伝ってもらいたいの……。」
「いいですよ。」萌は軽かった。
「ごめんね……」萌は苦しそうに言った。
「ちゃんとメシ食ってんのか?軽すぎだぞ~」
萌を静かに車のシートに座らせてその横に乗り込んだ。