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春湖に会って 開口嫌味を言ってしまう自分
「遅かったな。」
ほんとに変なとこ素直だよ
昨日の今日……まずは謝るんだった。
だけど…俺は春湖にずっとこうして嫉妬し続けるんだ……。
春湖をいいだけ怒らせてしまった時
萌から電話が来た。
春湖はそのままシャワーにいってしまった。
「素直に謝れた?何なら行くけど?萌さまにお願いしなさい。
彼女をうまく丸めこんであげる~」
いつものように能天気な萌だけど 萌と話していて少し気持ちが
おだやかになっていた。
「私だって悪いな~って思ってるんだよ~」
萌が言ったからジュースでもおごれと言ってやった。
しばらくして化粧を済ませて 通勤服に着替えて
春湖が入って来た。
柔らかい髪の毛が無造作に揺れている。
少し心が穏やかになったことで
今日の夜の夕食作りを変わることを春湖に伝えた。
とにかく一緒にいる時間を作ることが大事だと思った
春湖の表情が少し明るくなったから
俺もホッとした。
春湖が髪の毛を束ねようとしたから思わず俺は思わず
春湖の手を引っ張った。
ひさしぶりに春湖の柔らかい髪の毛に触れる。
シャンプー最近 選んでないな……
春湖は 俺のする髪の毛はなんでも似合う。
心配になるほど…春湖は輝くから……
「ありがとう」
春湖はバックを持って出かけようとしたから
「確認しなくていいのか?」と言うと慌てて鏡の前に立った。
しばらく春湖は鏡の前に立って
「私ってまだまだいけるよね~」と言った。
行けるよ……だから…俺はイライラする……
きれいに化粧をした春湖が大人に見えると 学生服を着た自分が情けなくなる。
「新しい恋…していいよね?」
俺にそんなこと言うなよ……。
どうせその恋の中に 俺はいないんだろ?
「バカか?おまえ」
これ以上また顔を合わせていたら何を言うかわからなかったから
また悪態をついて俺は部屋を出た。
新しい恋……
誰か好きな男ができたんだろうか
もしかしてあの車の男・・・?だったら勝ち目はないな……
俺はまた……撃沈するのかな