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萌と話しこんでいて帰ったらもう二時を回っていた。

ソファーで眠ってる春湖に顔を近づけて 寝息を感じる。



  心配した?


  ごめん俺……ガキだから……


  

  もしかしたら俺を待ってた?



案の定目を覚ました 春湖からたっぷり叱られた。



「ごめん…」その言葉しかない……



春湖の言葉はやっぱり年上の言葉で 俺はそのうち面倒になってきた。



  ガキ扱いしてる




素直になれない自分もいる。



春湖の視線を避けるようにその場を後にした。




  少しは俺のこと……心配してくれてる…だよな……



拒否し続けられ いつの間にか俺の卑屈な恋心は思春期のように

揺れ動いていた。



初めて…俺の片想いを他人に話しした。

萌はあの後 真剣に俺の話を聞いてくれて 嬉しかった。




次の日 起きて行って俺は驚いた。



ゴミ当番な俺はキッチンのゴミ箱に 無残な姿になっている

ケーキーを見つけた。



そしてその下にはカレーとカツが二枚捨ててあった。



春湖がおりてきて 謝ったけど・・・・・

謝れば謝るほど 春湖の怒りをかった。



  どうしたらいい?


俺の言葉を遮って

春湖がパジャマのままシャワーをかけたのに驚いた。



いつも春湖とは喧嘩ばっかりしてるけど

最近の春湖は少し違う……。



そんな春湖を置いて俺は家を出た。




   そんなに俺のこと……嫌いなのか……?



また心が少し折れたような気がした。



あんなふうに朝 別れたからずっと気になっていた。

その日一日中 学校でもボーっとしていた…


萌が「彼女と怒ってた?」と聞いてきたから

朝の話を萌にした。



「ごめんね…私がわがまま言ったから……

彼女待ってたんだ……。それは秋杜謝った方がいいよ。

なんなら私からも謝ろうか?」



「いいよ……。」

誰かに話すと楽になる……。



萌が

「一度 会わせてね~私も親友として謝っておきたいわ。」



「春湖はただ…用意してたから怒っただけだよ。」

別に俺のことなんて心配もしてないんだ。



「でもちゃんと謝った方がいいからね。」萌はそう言って俺の背中を叩いた。



俺も 春湖が帰ったらもう一度謝ろうと思っていたけど

結局春湖は遅くなるまで帰って来なかった。



部屋の窓から

何度も何度も 春湖の姿を探して家の前の道路を見つめていた。



  帰ってくるよな……


心配になった。



一台の車が止まって 春湖が降りてきて

運転席から男の人が出てきた。




大人の男だった。



春湖の背中はとても嬉しそうにピョンピョン跳ねて 元気に頭をさげた。

男もにこやかに笑った。




  誰だ・・・?最近よく出る名前の男だったりして……



春湖の口から出る男の話に敏感になっていた矢先だった。



春湖は車が見えなくなるまで 手を大きく振り続けた。



  俺にもあんな可愛いことしたことない……



急に腹が立ってきて

ベットにあおむけになった。



  こんなに好きなのに……



春湖の笑顔は俺には向けられたことがなかった。

他の男には向ける笑顔



俺にはいつも怒った顔ばっかり……



「めっちゃ…痛いから……」その日はなかなか眠れなかった。



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