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昨日の地震は みなさんの住んでいる地域ではどうでしたか?
大変なことになりました。
私の住んでいる地域は 比較的被害は小さかったのですが
テレビなどで見る地獄のような映像と
恐ろしいニュースに胸がつぶれる思いです。
この物語を読んでくださっている方の中にも大変な思いをされている方も
いらっしゃるかもしれません。 どうか頑張って下さい。
これ以上の被害が広がらないように祈らせていただきながら
楽しんでいただけるように 更新していきます。
「ねぇ~もしも合格したら……お祝いしてくれる?」
萌が言った。
「お祝い?」
「ほら…私はそんな感じじゃないけどね…してみたいことがあるの。
思いっきりハメを外したい気分なんだ~。」
「ハメ?なんかおそろしいこと言ってんな。」
「休んだばっかに…成績もかなり落ちちゃったし…ストレスたまってるんだよね。」
萌は入院した期間の勉強がうまくおいつかなくて 成績が落ちてしまった。
それでも志望校は絶対に変えたくない一心で
必死に勉強しているが 難しいんじゃないかと
担任にも言われたらしい。
それでも絶対に合格すると言い張って 志望校を決めていた。
「あんまムリな事じゃなかったら…な~」
「秋杜には付き合ってもらうだけだから~
よかった~~これでまた楽しみが増える~」
萌は大喜びで 教室を出て言った。
萌にはなんでか…弱い俺がいる
かえって春湖には 強気でいられるのに……
本当の俺は…もしかしたら萌と一緒にいる俺なのかもしれない。
春湖に拒否されて嫌われて だけど俺はそのたびに
絶対いつか手に入れてやるんだって 心が燃えるんだ。
強気でキスして拒否されたんだったよな~
春湖が一度も帰って来ないのは もしかしたらそれが原因なのかと
不安がよぎる。
でもそう思いたくないから…
確かに春湖にとっては 俺の気持ちは迷惑なんだろうけど
拒否されるたびに俺の心は強くなっていく。
春湖に対して 俺はSなのか……
いや…Mなのかもしれない………
春湖といつか同じスタートラインに立てたら……
俺の長い片想いが叶う日もあるかもしれない。
受験の日を迎えて 俺はなんとか手ごたえを感じてやっと落ち着いた。
萌も
「やるべきことは全部やったから~ダメでも後悔しない。」
そう言って大きく息を吐いた。
卒業式 俺にとってはどうでもいい行事だと思ってたけど
途中何度か熱いものがこみあげてきた。
多分萌に出会わなければきっと どうでもいいものだったのかもしれない。
苦手だった仲良しクラスに俺も参加していくうちに
こんな風に卒業するという意味をかみしめるようになった。
萌は泣いてくしゃくしゃだった。
何度も鼻をかんで 鼻が真っ赤になっている。
俺は小さい声で
サンキューとつぶやいた。