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反発しながらも 萌のペースに巻き込まれて
俺は少しづつクラスの輪に参加し出していた。
そして小学校の時には得られなかった友達という
なんか楽しくてウザイ存在がチラホラ俺の周りにでき始めた。
今までは一人でもよかったし苦にはならなかった。
俺はなんでこんなガキの集団にいるんだ
現実を恨んで生きてきたから……
体が小さいだけで・・・・俺の頭はそこらへんの
五年先のやつらより頭はいいはずだし
そう思えば思うほどに辛くて 自暴自棄になっていた。
不思議なことに萌とは三年までもクラスが一緒で
この俺がとうとう三年時には 学級代表を勤めていた。
いつでも萌は元気で明るくて みんなの中心にいた。
俺はいつしかその様子を微笑ましく見てる自分に気がついていた。
修学旅行の準備期間
二週間くらい前から 萌は少し具合が悪そうだった。
「どうした?めずらしいな……。」
「うん……。たまにはあるよ私だって……」
でも…元気さと明るさでいつしかそれは吹っ飛んでいた。
母親に
「最近 変わったね。」と声をかけられた。
いつしか変わっていた自分
今まで寄りつかなかった友人が俺の机の周りで騒いでいる。
そしてそれを笑顔で見てる自分がいた。
修学旅行当日
「萌さんは体調を崩して 残念なことに入院です。
萌さんからみなさんに 楽しんできて下さい
でした…と言う事で 新居君よろしくね。」
いつもの風景に萌がいないのが 物足りなかった。
いつしか俺の普段の生活に 萌が溶け込んでいた。
春湖しかいなかった
心の中に・・・・好きとかそういう感情はないけれど
初めてだった春湖以外の女を心の中に入れたの・・・・・。
俺は動揺していた。