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もしかして…傷つけちゃった・・・?
私の胸にも後味悪く残る罪悪感だった。
でも…おかしなことにでもなったら…少し距離を置いた方がいいわ
自分自身に言い聞かせて 必死にこの状況でヨシと思う、
ちょうど秋杜の思春期とぶつかったのか この一言で秋杜は私から距離を置きだした。
ちょっと寂しい気もしたけれど…とりあえず…ま~いいっか~~
これで集中できる……新しい恋に……
「春湖 あんた秋杜になんか言ったんでしょう。」ママが言った。
「え~~いつもの喧嘩だよ。秋杜も年頃だからさ~~
いいじゃん見守ってやろうよ~~」
そのうちいつものように行き来するのは親だけになり
秋杜の話を聞くのはパパやママが向こうの家に行って秋杜を見かける時くらいになった。
隣同士で幼なじみだった秋杜に会わない日が続いた。
私と小笠原先生は……いい感じで過ごしている。
押して押して…初のデートにこぎつけた。
先生の車に乗って 私のリクエストにより 日本海側の海を見ながらのドライブ
めっちゃめっちゃ楽しかった。
先生の若い頃の話や たまにはいってくる勉強の話
大人の口調でゆっくりと話かけてくる。
青い海のひろがる砂浜で車を止めた。
季節は秋……短い夏を終えた海は誰もいない……。
雑誌とネットを読みあさっていろんな計画を練っていた。
海辺を歩きながら波にたわむれ 彼の方を無邪気な笑顔でふり向く。
そして波に濡れそうになって彼の体に 自分の体を預ける……。
「大丈夫か?」彼は私を波から守ってくれるために手を差し伸べてくる。
無邪気さが大切
私はその大好きなキレイな手を握って はしゃいだ。
しばらく波打ち際ではしゃぎながら 体をすこしづつ接近させて
最後は静かに手をつなぎながら歩くんだ。
「先生……大好き……。」無邪気な告白
「何言ってんの。俺ら10歳も年離れてるんだから……」
秋杜と私の二倍か……
「でも好きなの……先生は私のこと好き?」
「平野は残酷な子だな……。」
そう言うとたまらなくなった顔をして私を抱き寄せた。
「誰にも内緒だぞ……。じゃないと…すぐに壊れてしまう…。」
甘い香りのする胸に抱かれて私は胸の中でガッツポーズをとった。
「うん…先生…春湖って呼んで……」
「春湖・・・・」先生が呼んだ……。
「じゃあ…まーくんって呼んでもいい?」私は胸にすり寄った。
「二人っきりの時だけだぞ……」波の音が大きく聞こえた。
「まーくん…大好き~~」
まーくんの顔が近づいてきて私のファーストキスは大成功……
優しくて甘くて…波の音が最高で…素敵なキスだった。
まーくんに出会って…私は大人に近づいた気がした。
塾での指導の時は みんなに見られないようにまーくんと
触れ合うのが快感だった。
キレイな指に触れてドキンとして 二人で顔を見合わせ微笑む……。
親に嘘をついて 出かけることも多くなって
どんどんまーくんにのめり込んで行った。
「クリスマスは一緒にいられる?」
「…ごめん…ちょっと仕事で出張にいくんだ……。
終わってからでもいいか?」
「うん!!じゃあ都合のいい時メールしてね。」
いつも重ね合う唇は 何度も回を重ねるごとに熱くとろけそうなキスに変わった。
不思議な快感が押し上げてくる……。
これが女の性欲ってものなのかな……
まーくんの指はしなやかに…そして次の段階に進みかけていることを
私に教えてくれた。
いよいよ・・・・大人になるんだ
私の期待は 膨らんで行く・・・・・。